JR 西日本の自浄作用の評価
昨日、JR 西日本の事故以後のマスコミの報道姿勢に疑問を呈したのだが、同じように感じている人はかなり多いようだ。
例の「ボーリング大会」や「ゴルフコンペ」など、せっかく自ら正直に公表しているのに、叩くばかりでその「自浄作用」の萌芽を評価する報道はほとんどない。
このところ、JR 西日本は記者会見で自らの汚点を率直に発表している。ボーリング大会後の二次会参加人数など、細かいところで二転三転しているようだが、基本的には、この姿勢は、社内の諸問題の改善に向かう第一歩として、少しは評価されてもいいと思うのだ。それが報道に携わる者の 「見識」 というものである。
一連の「チョンボ」は、本来ならば隠しておきたい汚点のはずだが、わざわざ記者会見を開いて公表している。発表の中身は情けないが、発表しようとする姿勢は非難されるべきではない。
これはリスク・マネジメントの基本である。とぼけていて、後でバレて叩かれるのと、どっちがダメージが大きいか考えてみればわかる。こうしたことは、必ず後でバレるのだから、自ら調べて先に公表する方が、誠実さをアピールできる。
事故直後の段階で、レールの置き石が直接の原因ではないかとほのめかすような、軽率な発表をした同社が、ここまでまともな対応を取るようになったのは、リスク・マネジメントの専門家がついて助言をしているのだろう。これはほぼ確実なことだと思う。
それを単なるその場しのぎの付け焼き刃に終わらせるか、問題改善の第一歩にできるかということには、マスコミの報道も少なからず影響を与えるだろう。
不祥事が発表される度に、待ってましたとばかりにヒステリックな叩き方をしても、仕方がない。「こうした自浄作用の萌芽を、今後の社内改善にまで高めてもらいたい」とコメントする方が、ずっと望ましいプレッシャーをかけられるではないか。
「正直者が馬鹿を見る」ということにはして欲しくない。JR 西日本が今ようやく「正直者」になろうという姿勢だけは示しているのに。下手したら、またお定まりの自殺者が出てしまうではないか。
そうでなくても、「我こそは 120%の正義」みたいな顔をして他人を罵るのは、あまり品性のいいものではない。批判には、同時に自らを諌める作用をも持たせたいものだ。
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