フィリピンの元日本兵騒動
フィリピン、ミンダナオ島の元日本兵騒動。今頃書いても後出しジャンケンみたいになってしまうが、初めから、「えぇ? 本当かなぁ?」という気はしていた。
だって、2人とも 87歳とかの高齢で、さらに、あと 2人いるなんていう。栄養事情の悪いところにしては、長生きし過ぎだ。
私の父は 15歳で予科練に行き、16歳で終戦を迎えた。その予科練時代の戦友会に毎年出席しているが、年々参加者が少なくなり、淋しい思いをしている。つまり、同年齢の仲間たちが、次々に亡くなっているのである。
父は今年で 76歳になる。この年齢にして、死ぬ者が多いのである。終戦当時に外地におられた方々は、少なくとも 80歳を超えている。この年齢の人たちというのは、日本にいても、かなりの確率で亡くなられているのである。
例えば、金婚式というのは結婚 50周年なのだが、夫婦 2人とも元気でその日を迎えるのは、案外難しい。きちんと栄養をとって、医療・衛生面でも恵まれた環境で暮らしながら、そうなのだもの、ジャングルの中で過酷な生活を強いられながら、4人が 87歳とかになっても生きているというのは、「奇跡」でもなければあり得ないことだ。
あるいは、こうした過酷な環境だからこそ、かえって健康になって生き延びでもしたのかなぁと思ったが、後日の報道を聞くと、やっぱりおかしかったわけである。
今回の騒動で大勢の日本人報道関係者が押しかけた現地では、一時的にずいぶんゲンナマが落ちたことだろう。だが、柳の下にもうドジョウはいない。
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