勘違い記者はどこに行った?
JR 西日本の記者会見で、一番エラソーに罵倒しまくっていたヒゲの勘違い記者は、読売新聞だったそうで、同紙は 13日付で謝罪記事を掲載したらしい (参照)
ネット関連では当初、あれは朝日の記者という噂も立っていたのだが、どうやらガセネタだったようだ。
大阪朝日放送の記者があれよりすごいヒゲ面だったので、「あんたら、もうええわ、社長を呼んで」などと声を荒らげた「ヒゲの記者」というと「朝日」ということになりかかったというのが真相らしい。
ところで、私も以前は繊維業界の専門紙だが、記者という仕事をしていたので、この仕事の「勘違いしやすさ」というのは、十分にわかっている。
何しろ、一介のヒラ記者でも、「○○新聞です」と言って電話してアポイントさえしてしまえば、名刺一枚で、一部上場企業の社長だろうが会長だろうが、サシで話ができるのである。
しかも、ベテラン記者になってしまうと、その社長が部長だった頃から親しかったなんてこともあったりして、結構本音のやりとりができてしまう。すると、その会社の社員は、その大記者様のご機嫌を損ねてしまっては大変なので、下にも置かぬおもてなしをしたりする。
以前は、大記者の「あんたんとこの、あの○○っていう営業部長、ちょっと気が利かんなあ」なんてな一言で、人事が動いてしまったということもあったらしい。今ではそんなことは、ほとんど昔話の世界だが。
記者会見の話に戻るが、記者のテクニックとして、本音を聞き出すために、相手をちょっとだけムッとさせるような聞き方をするということも、確かにある。ただ黙って聞いていただけでは、当たり障りのない公式見解しか出てこないので、想定外の力業で流れを変えるのだ。
それでも、「ちょっとだけムッとさせる」程度で、後で「あんときゃあ失礼しました」と言えるぐらいにしておかないと、それ以後の取材がしにくくなってしまう。だから、本気で怒らせたり、あるいは断崖絶壁に追いつめたりというような聞き方は、原則的にしない。それが礼儀というものだろう。
今回の読売新聞の謝罪記事は、大阪本社社会部長名の署名記事だったようだが、当の「勘違い記者」はどうなってしまったんだろうか。あれだけわめきまくっておいて、自分の方の形勢が悪くなると、どこかに隠れてしまったようだ。
「社会部長はもうええわ、ヒゲのにいちゃんを呼んで」と言われたら、どうしたらいいんだろう。
そして、これだけは言っておきたいが、見苦しかったのは、読売のヒゲのにいちゃんだけではない。あまたのニュースショーも、必要以上にものすごく「正義の味方」だった。
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