監禁事件
一泊二日の高知出張から戻ってきて、夕べはさすがに11時頃には寝てしまい、このコラムの更新が久しぶりで朝になってしまった。
高知のホテルでテレビニュースをみると、東京足立区の少女監禁事件が報じられていた。犯人は常習癖があるらしい。
最初にこのニュースを見たときは、ジョン・ファウルズの小説「コレクター」を思い出した。この小説は、蝶の標本収集に異常な興味を抱く男が、蝶では満足できなくなり、人間の少女を誘拐監禁してしまう話である。
しかし、「コレクター」の主人公は、監禁した少女をただ眺めるだけで満足しているのだが、今回の事件の容疑者はかなりの暴行を加えていただけでなく、同時に別の女性をも監禁していた疑いがあるという。
こうしたニュースを聞くと、私は不適切な言い方かもしれないが、「マメな男だなぁ」と思ってしまう。私のような不精な人間は、他人を拘束監禁して何日も置いておくなんてことは、到底無理だ。逃げられないように手を尽くすだけで、相当なストレスになるだろうに。
ということは、この容疑者は、そうしたストレスを受けても、なお相殺して余りあるだけの相当なストレスを心の中に抱えていたと考えるしかない。そのストレスを消すために、別のストレスを引き受けていたわけだ。
むしろ、別のストレスを引き受けなければ、元々のストレスの圧迫に耐えきれなかったと言うべきか。無抵抗な女性を暴力的に支配下に置くということで相殺されるストレスというのは、一体どんなものだろう。
案外、自分の妄想の中で作り上げてしまったストレスを、自分自身が制御できなくなったということなのかもしれない。
人間の心というのは、下手すると相当にコントロールしきれないものであるらしい。
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