花田家の「ねじ曲がり」
故・二子山親方の葬儀のニュースで、若貴兄弟がお互いに目も合わせないという、異常な光景が強調されていた。
世の中には周りから「変な家族だなあ」と思われているファミリーがかなりあるが、花田家というのは、その中でも典型的な例だと思ってしまうのである。
誤解を恐れずに言ってしまうが、「変な家族」のほとんどは、大人しく忍耐強い旦那と、我の強い仕切りたがりのかみさんの間に、妙に真面目な息子がいるというケースである。被害を蒙るのはもっぱら息子で、娘は案外なんとか世渡りできてしまうことが多い。
こうした家族の息子の多くは、何から何まで思い通りにしたがる母親のプレッシャーに押しつぶされて、引き籠もってしまうか、非行化してしまうかのどちらかだ。周り中を見てみるといい。「変な家族」というのは、たいていこのパターンである。
さすがに花田家の息子二人は引きこもりにも非行少年にもならなかったが、それだけにより深刻な「ねじ曲がり」を生じてしまったように見える。
兄貴の方は、まだ世間の常識みたいなものを意識しているフシがあるが、弟の方は、相撲ではトップを極めたかも知れないが、人間としては、どう見ても青二才以下だ。それが露骨にわかってしまうというのも、この人の「妙な生真面目さ」故なのだろうが。
どうも「厳しさ」だけを与えられて、「無条件の愛情」というものを注がれた経験がないのではないかという気がする。
努力はするが、それはその努力に対する「見返り」が確実にあるからであって、「見返り」を期待しない「無条件の愛情」というものを知らずに育ってしまうと、今の貴乃花のような、人間味のない「鉄面皮の人」になってしまう。
あれでは、弟子が苦労するだろう。それ以前に、大事な息子をこの親方に預けようという親がいなくなるだろう。
人間は幼少期の間に「無条件の愛情」を注がれないと、後から帳尻を合わせるのは大変な作業になってしまうようだ。
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