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2005年6月14日

クールビズでトレーニング

昨日、某アパレル関連団体の懇親会に平沼赳夫衆院議員が出席、祝辞を述べた。司会の女性は「テレビで素敵なクールビズ姿を拝見しました」と、にこやかに紹介。

しかし、演壇に立った平沼先生、悠然と「自慢じゃないが、その格好は一度もしたことがありません」
これは大受けだった。

とまあ、当のアパレル業界でもクールビズは妙な形で話題になっている。見た目を意識する業界だけに、話題の行き着く先は 「着こなし」 だ。

共通した認識は、「ネクタイをして初めて完成するスーツスタイルから、ネクタイを取っただけでは、間が抜けて見えて当たり前だろう」 ということ。ネクタイを外せばそれで済むというわけではないのだが、案外このことに気づいていないオジサンが多い。

それで、「着替えの最中」だの「草むしりのおっさん」だの 「刑務所から出てきたばかり」だのと揶揄されることになる。私は 6日前の当欄で、それでも旧態依然よりはマシといったことを書いた。

初めは草むしりのおっさんでも、着ているうちに板に付く。板に付かない人は、スーツにネクタイをしていても元々カッコ悪い。

というわけで、アパレル業界にとっては確かにビジネスチャンスではある。ネクタイとスーツは売れなくなるかもしれないが、一年中売れないわけじゃあるまいし。夏の服を別に売ると考えればいい。

この関連で問題になっているのは、ネクタイ業界の反発である。確かに、ネクタイという商品は究極まで特殊化したものなので、新商品開発などと言っても容易なことではない。

とはいえ、ネクタイの市場は縮小に向かっていることは確かなのだ。クールビズなどやらなくても、今のままでは徐々に売り上げは落ちていく宿命にあるのだから、やはり新商品開発はしなくてはならない。

例えば、いくらクールビズでノーネクタイを決めていても、急にエライ人と会うときなどは、やはりネクタイをしなければならないことがある。社内にいるときはロッカーから引っ張り出してくればいいが、外出先ではままならない。

そうしたケースを想定して、カバンに丸めて入れておいてもシワにならないポリエステルのネクタイなどは、需要が出るかもしれない。あるいは、襟に隠れる部分は細いメッシュになっているネクタイとか。

そうした商品は、以前にもあるにはあったが、どうも安物かキワモノかのどちらかで、デザイン的にもちょっと買う気になれない代物だった。単なるアイデア商品ではなく、まともな取り組みをしなければ、売れるはずがない。

クールビズは、単なる涼しい格好ではない。いろいろな意味でトレーニングになる。

ところで、蛇足だが、「裸足で散歩」という映画を思い出した。ロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダが夫婦役で出ている。

ロバート・レッドフォードの夫は、律儀な堅物。ジェーン・フォンダの妻は自由奔放な性格で、それが気に入らない。

ある日、二人は言い争いをする。台詞は正確には覚えていないが、大体以下のようなものだったと思う。

「あなたって、本当に面白みがない男ね!」
「きちんとしていて、何がいけないって言うんだ!?」
「それがイヤなのよ。あなたって、寝るときだってネクタイをするんでしょ!」
「ああ! 正式に寝るときにはそうするね!!」

いいなあ、こういう台詞廻し。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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