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2005年6月 7日

クールビズ その2

昨日に引き続いて、クールビズ・ネタ。日本の夏にスーツとネクタイは合わないし、省エネの観点からもナンセンスと言われ続けて久しいが、なかなか改まらない。

改めれば効果は明らかなのに、遅々として進まないこのもどかしさ。何かに似ていると思っていたが、ふと気が付いた。

私は以前、某団体事務局に勤務していたことがあるが、当時はインターネットが普及し始めて間もない頃で、団体加盟企業の約 20%ぐらいしか E-メール対応ができなかった。

いくらインターネットによるメールが効率的にも、コスト的にも、事後処理的にも、どの視点から見ても、既存の手法と比較して格段のメリットがあると説明しても、当時はなぜか拒否反応が強かったのである。だから、同報送信は FAX に頼るほかなかった。

「こっちばかりがメール対応できても、こればかりは、相手あってのことだからねぇ」と深いため息をついていたのだが、当時の感慨が、夏場のノーネクタイと同じ感慨であると思い至ったのである。

健康、省エネ、省コスト、副次的経済効果等々、どの視点から見てもメリットの方がずっと大きいのが明らかなのに、遅々として導入が進まないのは、「相手あってのこと」だからである。

「相手あってのこと」というのは、どうしても保守的で頑固な方が強いのだ。先進的であろうとするものが、ぺこぺこ頭を下げて言い訳しながら進まなければならない。

これから面会する相手が、こちらが「ネクタイをしていない」ということだけで「失礼だ」 などと言って腹を立てるような石頭でないという保証はない。それなら多少の暑苦しさは我慢しても、「保険の意味」でネクタイをしている方が無難ということになる。

だからクールビズを促進するためには、「環境保全」を錦の御旗にしてでも、意識改革から入らなければならない。

ノーネクタイ姿が「だらしがない」とか「着替えの途中みたい」とか 「草むしりのオッサン」とか「刑務所から出てきたばかりの姿」とか、そりゃあ、いろいろ言いたくなるのはよくわかる。しかし、そんなことばかり言っていては、新しい試みは進展しない。大丈夫、そのうち板についてくるものだ。

考えてみると、夏場でもしっかりネクタイを締めてスーツを着ているオッサンというのは、別にだからといってどうというわけじゃないが、それに多分偏見に過ぎないのだろうが、いかにもパソコンをいじれなそうな印象ではある。

だいたい、夏場にパソコンの前に座っていると、放出される熱で、ネクタイなんて締めていられないんだがなあ。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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コメント

逆に不思議に思うのですが、ネクタイをはずしたくらいで、そんなに涼しくなるものなのでしょうか。それは単にネクタイをきつく締めすぎているか、シャツの首周りがきついだけなのでは?
個人的には、ベルトを締めているほうがよほど暑いと思うのですが。
それに、外出も多いので、それなりの厚着をしていないと、温度差が激し過ぎてすぐ体調を崩してしまい、結局冬より夏のほうが厚着になっています。
クールビズも、まずは冷房を止めてからにしてもらわないと、迷惑です。
ということは保守的というより、現実的なのでは?

投稿: kant | 2005年6月 7日 20:22

kant 様:

>逆に不思議に思うのですが、ネクタイをはずしたくらいで、そんなに涼しくなるものなのでしょうか。

ネクタイは、表地、裏地、芯地の 3枚重ねで、それを筒状に縫ってますから、計 6重になります。

それに、シャツ襟の折り返しで 6重 (芯地を含む) がプラスされますので、ネクタイをすると、首周りは、なんと 12重の布でがんじがらめにされているわけです。

ネクタイの 6重分を外して、さらに一番上のボタンを一つ外せば、かなりの違いが生じることは明らかです。

>個人的には、ベルトを締めているほうがよほど暑いと思うのですが。

「ベルトを外せ」 とは提唱しにくいので、まずはネクタイでしょうね。

>結局冬より夏のほうが厚着になっています。

にわかには信じられませんが、個人差ということで、議論を避けます。

>クールビズも、まずは冷房を止めてからにしてもらわないと、迷惑です。

クールビズは当然にも、冷房の効かせすぎの是正を前提としています。
「冷房を止めてから」 というのは、現状では極論に思えます。

投稿: tak | 2005年6月 9日 17:25

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