中国のインターネット検閲
私は情報の流通に関しては、ごく単純に自由であればあるほどいいと考えている。自由が行きすぎれば野放図になるという見方もあるが、不自由であるよりはずっとマシだ。
こんなことを言うのは、「マイクロソフト、中国でブログ検閲に協力」というニュースに、さもありなんと思ったからである。
フランスの AFP 通信によれば、中国語版の MSN スペース(マイクロソフトのブログ・サービス)では「民主主義」、「人権」、「台湾独立」といった言葉が投稿できないのだそうだ。そうした言葉を入力しようとすると、「この言葉の使用は禁止されている」というメッセージが表示されるという。
こうした検閲手法は、とても直截的である。さすがに米国企業だけある。下手したら(あるいはうまくいけば)、ユーザー自身に自国の情報発信の不自由さを印象づけて、逆効果になる可能性がある。
中国自身の手による検閲は、もっとずっと巧妙なものであるらしい。こちら のサイトで詳しく紹介されている。以下に要旨を紹介する。
サウジアラビアも、インターネットのトラフィックはかなりコントロールされている。禁止されたサイトにアクセスしようとすると 「要求はブロックされた」というメッセージが表示される。
それに比べると中国ははるかに巧妙で、ブロックされたことすら知らされない。もともと存在しない情報ということになっている。存在は知っているのにアクセスできないとユーザー側にわかってしまう手法に比べると、こちらの方がより効果的だ。
こうした巧妙なコントロール下に置かれたインターネット状況において、「この言葉の使用は禁止されている」というストレートなメッセージが表示される稚拙な手法は、ある意味では画期的な前進といえるかも知れない。
「マイクロソフト、よくやった」と拍手を送ってもいいぐらいのものだ。
いずれにしても、 中国のインターネット・ユーザーだって馬鹿ではない。いろいろな裏技を駆使して、アクセスできないはずの情報を入手しているようだ(参照)。情報というのは、隠そうとしても隠しおおせるものではないのである。
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コメント
なるほど、表示されるわけだから
「マイクロソフト、よくやった」ということにも
なるわけですね(笑)。
TBさせていただきました。よろしくお願いします。
投稿: akaboshi07 | 2005年6月17日 09:54