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2005年7月21日

とてもエラそうな 「おひとりさま」

Reiko Kato さんの 「王様の耳はロバの耳」 の記事を読んで、「おひとりさま向上委員会」 なるサイトがあることを知った。

「おひとりさま」 とは、「人間として当たり前の個が確立できている女性のこと」 なんだそうだ。ふーむ、これって、ちょっとツッコミたくなる表現ではないか。

もっともらしく聞こえるが、要するに、よくわからんのである。

まず、「個が確立できている」ということが、「人間として当たり前」なのか。うーむ、そうだとしたら、世間には「当たり前でない人間」が多すぎると言わなければなるまい。この世は「人でなし」の王国ということになる。

「個が確立できている女性」のことを、ことさら差別化して「おひとりさま」と称するということは、他の多くの女性は「人間として当たり前のこと」ができていないということなのか。

そして「個が確立できている」と自認する女性は、「人間としては当たり前」だけれど、一方では「そんじょそこらの女性とは違う」ということなのだろうか。女性は、当たり前の人間ではないのか?

ちょっとしたパラドックスに陥ってしまう。

それから、Reiko Kato さんも驚いておられるが、このサイトのトップページでは、"「おひとりさま」 という言葉、および定義は、故・岩下久美子さんが考案し、提唱したもので、登録商標用語です。無断使用、類似表記は固くお断りしております" ということになっている。

この 「登録商標用語」 という聞き慣れない言葉は、一体何のことだ? それに、よく見ると、サイト内の 「取材・お問い合わせ」 というページには、"「おひとりさま」は商標登録申請中です" とある。おいおい、この古典的やり口は、かなり問題だぞ。

そもそも、「故・岩下久美子さんが考案し、提唱した」 のは、「おひとりさま」という言葉の新しい「定義」のようなもので、「言葉、および定義は、故・岩下久美子さんが考案し、提唱した」というのは、あつかましすぎるんじゃないかなあ。故・岩下久美子さんに申し訳ないような気がする。

さらに、この「取材・お問い合わせ」ページには、"WEBでリンクをされる場合も予めご連絡ください" とある。この委員会、かなりエラそうなのである。お生憎様、連絡なんかしないよ。

(H17.8.4 追記)

本文に、

それに、よく見ると、サイト内の 「取材・お問い合わせ」 というページには、"「おひとりさま」は商標登録申請中です" とある。おいおい、この古典的やり口は、かなり問題だぞ。

と書いたが、その後、ululun さんが調べてくれて、今年の 2月 25日に、商標として登録されたと判明した (参照)。要するに、上記のページは、半年近く更新を怠っているもののようだ (8月 4日現在、まだ更新されていない)。

外部にいろんな要求をする割には、自サイトの脇が甘い。

(H18.8.25 追記)

たまたま 「おひとりさま向上委員会」 のリンクを辿ったら、ページが消えていたので、消滅したのかと思ったが、実は、URL が変わっていたのだった。(それで、当方の本文中のリンクは更新しておいた)

何でまた、トップページの URL を変える必要なんてあったんだろう? うさんくさいなあ。

さらに、"「おひとりさま」は商標登録申請中です" という表記は、他のエラそうな文言とともに、まったく修正されていない。やれやれ。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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» 『おひとりさま養成講座』 [Partygirl]
『おひとりさま向上委員会』というものがあるんだそうだ。 まず、ここのtakさんの日記を読んでみて。 takさんのサイト おひとりさま向上委員会 1999年2月、女性が一人で快適に外食をしたり、旅をすることを 応援する「おひとりさま向上委員会」を設立し、主宰。 “おひとりさま”という言葉に、新しい意味と価値観を定義づけた。 ここで言うところの“おひとりさま”とは、人間として当たり前の 「個」の確立ができている大人の女性のこと。 シングル(独身�... [続きを読む]

受信: 2005年7月28日 07:32

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