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2005年8月22日

中国の 「反腐敗教育」

多分、今日中に、私のポータルサイト、「知のヴァーリトゥード」トップページの 10万ヒットが達成されるだろう。せいぜい自分で踏まないように気を付けよう。

当サイトのキリプレは、和歌を捧げるということになっている。今どき、和歌を捧げられるという体験をするのもオツなものだと思うので、踏まれた方はご連絡いただきたい。

さて、今日の話題は、"中国で 「反腐敗教育」 開始" というお話である。

共産党や政府幹部の収賄、横領などの腐敗が深刻な中国で、「腐敗を防ぐには子どものときからの教育が大切と、来学期から大都市の小、中、高、大学で「反腐敗教育」が始まることになった。

ということである。

「うそをつかない、ずるをしない、無理に張り合わない、人のお金を猫ばばしない」を主なテーマに、規則の順守や公共物を大切にすること、誘惑に負けないことなどを教えるのだそうだ。

「うそをつかない、ずるをしない、人のお金を猫ばばしない」というのはわかるが、「無理に張り合わない」というのは、ちょっとおもしろい。中国人のメンタリティをみる思いがする。

彼らは、風体の見てくれや、家屋の立派さや、身に付ける時計やアクセサリーのブランドで、かなり周囲と張り合っているんだろうなあと思う。中国人は日本人よりブランド好きらしいから。

ライバルがロレックスの腕時計をこれ見よがしにしたら、自分はさらに高そうなオメガか何かを見せびらかしたい。誰よりも大きなダイヤの指輪を身に付けたい。毛足が長くて足首まで埋まりそうな高級カーペットを自宅に敷き詰めたい。贅沢な装備満載のメルセデスを乗り回したい。

こんな方面で、ライバルたちと張り合おうなんてしたら、そりゃあ、多少は嘘もつかなくてはなるまい、ズルは大いにしなければなるまい、人の金は自分の金と思うぐらいでなければ勤まるまい。

中国では、昨年 11月までの 1年間に「腐敗」を指摘されて党や政府から処分を受けた党員や公務員は 16万人以上に達するという。1日平均で 440人にもなる。これでは、処分する方も一苦労だ。

問題は、「反腐敗教育」が裏目に出はしないかということである。「ゴミを捨てるな」という看板のあるところに限って、ゴミの山になるようなもので、かえって、世の中にはいろいろな「おいしいお話」があるのだということを、子どもたちに教えてしまうことになりかねない。

「世の中には、これこれこういった『悪事』が蔓延しているけれど、それらには手を出さないように」と教育するのは、実はとてもむずかしいことだろう。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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