甲子園の黙祷
原爆投下 60年目の昨日、甲子園の高校野球開会式前、高陽東(広島)の選手が原爆投下時刻に合わせて全代表校の選手に黙祷(もくとう)を呼びかけたいとの申し出にからんで、ゴタゴタがあったようだ。(参照)
高野連が「原爆は広島だけのこと」と言った、言わないなどの情報も乱れ飛んだ。
これに関して、東京弁護士会の落合洋司氏が、自身のブログでいきり立っている(参照)。ただ。落合氏のいきり立ちの原因となった毎日新聞のニュース・ログへのリンクをクリックしても、「記事がありません、既に削除された可能性があります」と表示されるので、裏で何らかのかけひきがあったものと推察するに十分な状況だ。
それに、落合氏のいきり立ち方が、とてもステロタイプな決め付けに満ち満ちているので、私としては何となく「アンビバレンツェ」なんていう言葉を何年ぶりかで使いたくなるような、複雑な気分になった。(以下引用)
こういう愚かな人間は、世界中で何が起きても、どんな悲惨なことが起きて大勢が苦しんでいても、自分たちさえ野球ができれば満足なのでしょう。
(中略)
日本の戦後60年が、こういった人間を生んでしまったことを、我々は深刻な問題として受け止めるべきだと思います。
同じいきり立つにしても、もう少し自分の言葉でいきり立ってもらいたいなあと、一言だけ言わせていただこう。
毎日新聞の記事がチョンボだったのか、本当に高野連が「原爆は広島だけのこと」と言わなかったのか、それは今となっては誰にもわからない。それでも、この間に、何らかのぐちゃぐちゃした思惑がはたらいたということは事実だろう。
そして、朝日新聞の「ごめんなさい、すべて、ウチの言葉足らずがいけなかったのよ」的な、例の NHK とのバトルにおける態度とはうって変わったしおらしさにも、ものすごく嫌らしい政治的判断の臭いを感じる。
高野連って、NHK よりずっと強いのだなと思うのである。「"あぁ言えばこう言う" 的な文科系エラソーより、"問答無用" 的体育会系エラソー」の方が、この国ではずっと強いのだということが露呈されてしまった。
原爆犠牲者を悼むというごく当然の心根が、こんなことに埋没してしまうのは、とても悲しい気がしてしまうのである。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- JR の往復割引が終了するのは残念!(2024.12.03)
- 首都圏での闇バイト強盗事件、その傾向と対策(2024.11.28)
- 「なりすまし広告」って何のことか、やっとわかったよ(2024.10.30)
- 芋煮会で焼肉パーティなんかするから・・・(2024.10.13)
- 「夕刊フジ」が休刊 - 活字と紙の媒体は衰退期?(2024.10.02)
コメント
毎日新聞は春の選抜を主催している関係で政治的決着をしましたね。
投稿: ひとり | 2005年8月 7日 01:01
アマチュア野球関係者って、
日本最強の 「エラソー」 かもしれないという、
素朴な印象を持っています。
まともな話が通じないというか。
あまり関わり持ちたくないという感じです。
朝日も、毎日も、下手に関わり持ってるから、
お守りが大変なんでしょう。
投稿: tak | 2005年8月 7日 18:39