政治のガラガラポン
昨日はちょっとした用で取手まで行くのに、車の運転中、カーラジオで参議院における郵政民営化法案否決の瞬間を聞いた。
これで衆院解散、総選挙になだれ込む。ラジオのニュース解説は、「郵政民営化は悪いことではないが、そこに至る首相の政治手法に問題が・・・」と、お約束の玉虫色解説。
マスコミというのは、「ああ言えばこう言う」式のごね方をして見せなければ沽券に係わるという意識があるというだけの話だから、テキトーに聞いていればいい。
強行突破で乗り切ろうとすれば、「独善的で強引な政治手法」と批判し、チマチマとした多数派工作を展開すれば「密室談合政治」と批判する。しかし、それら二つの手法を避けたら、結果は「指導力不足」ということになるだけだ。
いいじゃん、いいじゃん。「郵政民営化」をマニフェストに掲げた選挙で政権を得た政党が、こんなにゴチャゴチャするのなら、一度、ガラガラポンしてしまえばいいじゃん。
ガラガラポンのきっかけが、国民の死活問題ではなく、この程度の問題で幸いだったじゃないか。言い換えれば、この程度の問題でガラガラポンができるのだから、そりゃあ、今のうちにやっておいた方がいい。絶対にいい。
これまで私は、「どうしてこの程度の問題で、こんなにガタつかなければならないのか」と不思議に思っていたが、今、ようやくわかった。大きな化学反応をもたらすための、可能な限り無害な触媒という役割を、郵政民営化問題というのは、歴史の中で果たしているわけだな。
景気が回復しかかっているこの大切な時期に、政治的空白が生じることを懸念する声があるが、大丈夫大丈夫。政治が余計なことをしないだけ、ずっとマシだと思えばいい。それに、「空白」というほど、これまでがきっちりと充実していたわけでもあるまいし。
一度、民主党が政権についてみるのもいいかもしれない。そうすれば、政府と官僚の間にちょうどいい隙間ができて、ようやくまともな行政ができるようになるかもしれないし。
それに、自民党が分裂すれば、公明党以外にもキャスティング・ボートを握る政党ができることになる。時として、単純に多数派になるより強みが発揮できる 「キャスティング・ボートの独占」という状態の崩れるのは、長期的にはいいことだ。
政治改革を掲げた平成 3年の海部内閣は、追いつめられた時に「重大な決意」なんてことを言って、解散をちらつかせながら、結局はそれを実行できずに憤死した。
今は、当時のよう 「派閥の圧力」なんてものがないとはいいながら、やはり、「変人以上」の首相でなかったら、これほどまでの「先はどうなろうが、わしゃ、知らん」的な状況は作り出せなかったかもしれない。
時々、ちょっとした奇人変人が現れてくれないと、硬直した歴史は動かない。ここまで来たからには、下手に丸く収めようなんてことは、してくれない方がいい。
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