「引用」 のマナーとセンス
Rtmr さんが「引用」について極めてまともな正論を論じておられる。(参照)
この関連で、昨日当コラムで論じた「ぶっ飛びお天気キャスター」のお話をきっかけに、こう言ってはなんだけど、ブログの世界の引用に関するマナーとセンスの悪さを、しみじみと感じてしまったのである。
昨日の記事は珍しく、半日経たないうちに 3件もトラックバックされた。ウチのブログは、平均 200件/日以上のアクセスがあるのに、コメントとトラバは、極端に少ない。コメント率(コメント件数/アクセス件数)、トラバ率(トラバ件数/アクセス件数)で言ったら、多分、日本のワースト・ブログの一つである。
で、珍しくトラバがサクサクっとついたので、この話題に関するブログ記事がどのくらいあるのか知りたくなり、Technorati Japan で「スコット・スティーブンス」のキーワードで調べたら、昨日昼前の時点で 95件ヒットした。まあ、こんなものだろう。
ところが、それらをざっと眺めてみると、単に Sankei Web の記事をコピペしただけというログが結構あるのだ。そのほとんどは、元記事へのリンクを張ってあるので、まったくのパクリとは言えないが、中には、引用元すら明記していないブログもある。
一番多いのは、記事の全文コピペの最後に、チョコチョコっと感想じみたコメントを添えたものである。そういうのって、「個人ニュースサイト」というらしいが、そのコメントにしても、「とりたてて言うほどのことか?」という程度のものが多い。
前述の Rtmr さんのページに、引用する際の「公正な慣行」として、いくつかの条件が明記されているが、そのうちのひとつに、"質的にも量的にも、引用先が「主」、引用部分が「従」という関係にあること" という一文がある。
記事の丸写しの後に、ありきたりな短い感想を述べるというスタイルでは、質的にも量的にも完全に、「引用部分が主」ということになってしまう。引用をせずに、リンク先の URL のみを記して、鋭い一言を添えるというスタイルならば、OK だが。
ただ、記事の全文をコピペしたくなる気持ちもわからないではない。リンク先の記事は、大抵の場合、一定期間を過ぎると削除されてしまい、リンク切れになるからだ。
しかし、「個人ニュースサイト」だからといって、コピペし放題の免罪符になるわけではない。どうしても全文コピペしたかったら、引用した記事以上の分量と質的内容のコメントを付けなければ、マナーとセンスの両面から、コトは済まないだろう。
マナーを別としても、小学生の絵日記の「きょうは、おとうさんとおかあさんと、おとうとのヒロシと、かいすいよくに行きました。とってもたのしかったです」と大差ない構造になってしまう。
| 固定リンク
「ウェブログ・ココログ関連」カテゴリの記事
- 親友を空港に置き去りにした "AITA"(あ痛!)な女性(2024.09.23)
- 「増田」と名付けられた界隈の印象(2022.09.29)
- 昨日はココログのサーバがダウンしていたので(2022.06.27)
コメント