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2005年9月24日

K-1 GP 観戦記

K-1 ヘビー級の試合は、世界で一番つまらない格闘技になってしまいつつあるのかもしれない。昨夜のテレビで夜 9時から観戦したが、最後のボブ・サップ対チェ・ホンマンなんて、ブーイングする気も起きなかった。

PRIDE があれだけ進化し、K-1 ミドル級だって見応えあるのに、困ったモンだ。

多分、主催者の考えが、プロレス流の悪しきプロモーション・システムの影響下にあるのがダメなのかもしれない。ボブ・サップだの曙だの、話題性ばかりで技術のない選手を使って、大衆人気をとろうなんてしたのが間違いのモトだった。

ボブ・サップはウルトラマンじゃあるまいし、3分動けば息が上がってゼイゼイしだすし、こないだまで K-1 にしがみついていた曙にいたっては、リングに上がって第 1ラウンドのゴングが鳴る前に大汗かいてスタミナを消耗してしまっている。

まともに考えたら、あれではお金は取れない。

相撲というのは、体の小さな力士でも大きな曙にぶつかってきてくれるという、とても不合理なお約束があるから、跳ね返してやりさえすれば勝てたのである。捕まえるまでに足許がフラフラしてしまうようなシステムでは、勝手が違いすぎる。

その意味でも、曙がさっさと 「お約束」 の世界のプロレスに転向したのは正解である。しかし、ボブ・サップが 「お約束」 の世界でうまくやっていけるとも思われないし、今のままで使い潰しになるしかないのだろう。

しかし、同じ使い潰しでも、今回のチェ・ホンマン戦のような試合がメイン・イベント的な扱いになるようなやり方をしていたら、K-1 ヘビー級の将来は暗い。

1ラウンドの中盤あたりから、お互いに息が上がって体が動かなくなり、ベタ足で見合ってばかりいるような試合を、高い金を払って見せられる有料入場者の身にもなってみろというのである。

あれでは、レフリーも大変な気苦労だったろう。いくらファイトを促しても動かないし、だからといって減点の罰則を与えても、両方からどんどん減点してしまうほかないので、有効なペナルティにならず、しらけるばかりになる。

一部では、チェ・ホンマンが今後の K-1 ヘビー級の期待の星みたいなことをいう論調もあったが、あれでは、とてもじゃないが、ジャイアント馬場にもなれない。

ジェローム・レ・バンナ、ピーター・アーツなどのベテランはさすがだったが、アレクセイ・イグナショフは、まだ病み上がりだし、鳴り物入りだったマイティ・モーだって、あのサモアン・フックの間合いさえ外せばいいというのがバレてしまっている。

日本期待の武蔵は、相変わらず踏み込みの足りないパンチとキックを当てては逃げるという、全然リスクを取らないスタイルで、ホームタウン・ディシジョンで判定勝ちするというスタイルから一歩も抜け出ていない。

今回の収穫はセーム・シュルトの成長だけで、あとは 「なーんだ」 という感じの K-1 グランプリであった。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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