「モノ、はっきり言うちゅうこってすわ」
さすが塩じい。頭の中、若いなあ。
某選挙報道番組で、「小泉さんの作戦の勝利ですよ」とコメント。「作戦というのは?」と突っ込まれ、「そら、モノ、はっきり言うちゅうこってすわ」と飄々と言い放つ。「郵政民営化に焦点を絞った」なんて、フツーの評論家みたいなことは言わないのである。
塩川正十郎、その辺の政治評論家や大新聞の論説委員なんていう人たちより、ずっと冴えてる。
ここでお断りしておくけれど、はなはだ申し訳ないが、この発言のあった番組、どこの局のなんという番組かは、わからない。私はあまりテレビを見ないので、普段から、ちらっと見た番組が何という番組かなんて、ほとんど意識してないのである。
今回にしても、ちょっと階下に降りて冷蔵庫の中から冷たい飲み物を出そうとしたときに、ちらりと視界の端に入った塩じいが、そう言っていたのである。私は「なるほどねぇ、言えてるねぇ」と思いながら、二階に昇ってきてしまった。
いずれにしても、この塩じいの発言、とても当を得ていたと思うのだ。今や政治の世界では、「どう言うか」という要素が「何を言うか」 よりもずっと重要な時代になったのである
言質を取られないように気を付けるあまり、わかったようなわからないような、まぁ、よく聞きさえすれば、わかるにはわかるんだけど、その代わり、うっとうしさは増すばかりみたいな、そんな話し方スタイルの政治に、国民はほとほとウンザリしていたのである。
失点を抑えようとするあまり、フォワードがセンターラインのこっち側でパス回しばかりしているような政治には、「無関心」という態度で応えるしかなかったのである。サッカーだって、そんな試合ばかり見せられたら誰も応援しなくなる。
何しろドッグイヤーの世の中である。「郵政民営化には決して反対ではないが、もっと時間を掛けて論議してからでも・・・」なんて、寝ぼけたことばかり言うスタイルには、もう付き合いきれないのである。
そんなことでウダウダしているから、ほら、見てごらん、日本はシンガポールやマレーシアより国際的関心を持たれない国になってしまった。まあ、国際的関心を持たれさえすればいいというわけでもないが。
とにもかくにも、団塊の世代以後の日本国民は、政治の世界の「微妙なアヤ」なんてものを眺めて喜ぶほど、娯楽に飢えちゃいないのである。
物事は、はっきり言ってもらった方がずっといい。はっきり言ってもらいさえすれば、それが間違いだとわかったら、さっさと軌道修正が効く。これまでは、はっきりしないから、軌道修正すらまともにできなかったのだ。
小泉さんが選挙に強くて国会対策にそれほど強くないのは、永田町ではまだ「はっきり言う」風習がないからなのね。
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