プラス志向? プラス思考?
Reiko Kato さんが、「プラスしこう」の「しこう」は「思考」よりも「志向」であるべきだと主張しておられる。(参照)
気持ちはわかるけれど、やはり「プラスしこう」は「プラス思考」の方が妥当だろう。それは、英語の "positive thinking" に相当する言葉として機能しているからだ。
「プラス思考」が "positive thinking" の訳語であるかどうかは、知らない。しかし多くの場合、この二つは共通のニュアンスで使われている。(参照)
英語の "positive thinking" は、アメリカ人好みの、メソディカルな自己啓発トレーニングである。「プラス思考」は、それを日本人好みに通俗化、一般化したものということができる。
また、英語から離れても、やはり「プラス思考」が妥当だろう。例えば、Reiko Kato さんは、次のように主張しておられる。
つまり、物事をプラスの方向に考えることだ。もっと言えば、プラスの方向に行動を起こすように考えることだ。そうしたら、「しこう」という言葉に方向性の意味が含まれないといけない。正解は「志向」だ。「思考」ではおかしい。
しかし、彼女のいう「方向性」というニュアンスは、「プラス」という言葉に既に含まれている。「マイナスとは反対の方向性」ということだ。ということは、「しこう」にまで方向性の意味を含ませたら、ちょっとくどい言葉になる。
また、「プラスの方向に行動を起こすように考えること」というのも、紙一重でアグレッシブすぎる。「プラス思考」の必要条件には、「行動を起こすように」というのは必ずしも含まれない。それは、過ぎてしまったことでも、くよくよ考えるより、プラスの方向で解釈して納得してしまおうといった意味合いもあるからだ。
その結果、次の行動もポジティブなものになるということは、十分あり得るし、またそうあるべきでもある。それは自然の流れとして分かちがたいものではあるが、順序としては、「行動」は「思考」の次の段階と捉える方が、メソッドとして確立しやすい。
まあ、「プラス志向」というのも、あり得なくはない。「プラスの方向性を志向すること」だ。この場合は、Reiko Kato さんの言われるように、行動を伴うことが前提となるだろう。
しかし、広く使われているのは、「プラスの方向で考えること」 あり、「ポジティブな行動を起こすための心的ベースを養成する」といった意味合いだろう。不断のトレーニングという意味では、"positive thinking" と共通する。
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コメント
ものすごーくバカな質問ですが、
人はこう考えようとして、そう考えることができるものなんでしょうか?
考え事がある時は、私は何も考えずに考え始めてる気がします。
後になって、あのときもう少し冷静になれなかったものかとかは考えますけど、どうもポジティブシンキングという考え方がウソくさい感じがするんですよね。
投稿: kumi | 2005年9月10日 04:03
あはは (^o^)
意識的にそうしようとすれば、だんだんできますよ。
だから、「トレーニング」 なんです。
思考の方向性なんて、かなり 「惰性」 ですから、
「クセ」 みたいなもんです。
もっとも、私も米国流の 「ポジティブシンキング」 で、
メソディカルにプラス思考の 「クセ」 をつけようなんて、
全然思いません。
あれって、御利益信心みたいなもんです。
投稿: tak | 2005年9月10日 15:06