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2005年10月16日

ムクドリのパラドックス

昨年の 6月 30日に、取手駅西口に押し寄せるムクドリの大群について述べている (参照) が、その大群は、さらに郊外の田園地帯である我が家付近にも進出してきた。

我が家の裏手の小川を隔てた向こうの農家の屋敷林をねぐらと定めた一群が、夕方になると大変なけたたましさなのだ。

本当に、野鳥というのは数が少なければ可愛らしいのだが、あれだけの大群になると、異様である。しかもムクドリの大群は、夜更けまでキュルキュルとけたたましく鳴き続けるので、付近の人には騒音被害まで及ぼす。

これはこの辺りだけのことではなく、「ムクドリ 大群 被害」 のキーワードでググってみると 340件がヒットし、その被害は北海道から九州まで広がっているのがわかる。

先日、夜遅くなって帰ってきて取手駅に下車し、ペデストリアンデッキからロータリーの木立を眺めて、たまげてしまった。たまたま木立を通してその向こうの店の明かりが透けて見える位置だったため、枝に止まって眠るムクドリのシルエットが、びっしりと浮き出ていたのである。

あの密度で止まっているとしたら、あの一本の木を、何千羽のムクドリがねぐらとしているかしれない。あの大群から分家した連中が、我が家の近くまで迫ってきているわけか。

鳴き声の騒音はいくらなんでも夜中には静まるので、眠れないというほどでもないのだが、糞害は、まさに憤慨のもとになる。シャレどころではない。私の車もしょっちゅう糞を落とされている。フロントガラスにべったりと落とされるのが一番ツラい。

多分冬になればどこかに渡って行ってしまうのだろうが、なんとか対策を講じないと付近の住民はストレスを抱えることになる。ネットで調べたら、新潟県長岡市が、「ムクドリの悲鳴」 という新兵器で効果を上げているらしい。(参照

網にかかったムクドリのあえぎを録音して、それを流すと、連中はかなり怯えて、寄りつかなくなるそうだ。全国の自治体や企業など 270ヵ所に貸し出されているという優れものらしい。

効果はあるようだが、日本中の街でこのテープを流すようになったら、ムクドリはどこをねぐらにしたらいいのだろうか。そもそもムクドリは、天敵の少ない人里を好むらしいのだが、その人里でこんなに嫌われては、自分の首を絞めることになる。

デカイ顔をして傍若無人に振る舞いすぎると、歓迎されないのは世の常なのか。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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