妻には 「信じられない」 マグカップ
私はコーヒー好きである。とくに、パソコンに向かうときには、手元にコーヒーのたっぷり入ったマグカップがないと落ち着かない。
コーヒーをちびりちびりと啜りながら仕事をするのは、私の長年のスタイルになっているのだが、最近まで、コーヒーがすぐに冷めてしまうのが、不満の種だったのである。
しかし、近頃いい買い物をした。コーヒーの冷めにくいマグカップである。
これは外側が透明プラスチック、内側がステンレスの二重構造になっていて、その間は真空に近くなっているようだ。つまり、魔法瓶と同じような構造なのである。
上部にはお盆のような形の蓋がついていて、手前に吸い口となる切れ込みがあり、反対側に空気の通る小さな穴があいている。そして、蓋の上面はテフロン加工で水分を撥じき、吸い口に向かってやや傾斜しているので、コーヒーが蓋の上にたまらないようになっている。
このマグのおかげで、たっぷりと注いだコーヒーをゆっくりと 1時間近くかけて啜っても、最後まで冷たくならないので、私は大満足なのである。
ところがこのマグは、妻には信じられないものらしい。彼女にとっては、蓋の隙間からコーヒーを啜るなんて、どう考えても「変なこと」に思えるようなのだ。妻は、スタバのコーヒーでも、吸い口付きの蓋を取って飲む人で、それが「こだわり」なのである。
一方、私は仕事中に飲むコーヒーはちょっとしたリズムをつけるために、マグを手にとってコーヒーを啜るだけだから、こだわりは要らない。最後まで冷めないことの方が、よほど大切なのだ。
私たち夫婦は、大まかな価値観はかなり共通しているのだが、細部に至ると、かなり違ったテイストをもっている。18歳で出会うまで、まったく別の環境で生きてきたのだから、それは当然のことだ。それに二人とも、案外自分の美意識に頑固にこだわるところがあるし。
それでも、私たちはお互いのやり方を否定しはしない。妻は私のマグを「信じられない」と言いながら、それでも私がそれを大のお気に入りにしていることを、ちゃんと尊重してくれている。
それに、私だってパソコンの前を離れて、「真面目に」コーヒーを飲むときには、このマグを使おうとは思わない。
| 固定リンク
「住まい・インテリア」カテゴリの記事
- 「タワマン」って、やっぱり幻想の産物なんだね(2023.03.13)
- KURE 5−56 は鍵穴に使っちゃいけないんだそうだ(2022.03.25)
- デスクの周囲は結構な「たこ足配線」だが(2022.03.09)
- モノを捨てて捨てて捨てまくった(2021.08.27)
- ずっと家にいるので、部屋の整理が進んだ(2020.04.11)
コメント