本屋に行って便秘が治るか?
本屋に行くとなぜかウンチがしたくなってしまうというのは、各人の実体験に基づいて、かなり広く認知された現象のようだ。(参照)
かくいう私も、本屋に立ち寄り、ちょっと新刊書のチェックなんてしているうちに、それどころじゃなくなったことが、とくに昼休みにランチを食べた後なんかに少なからずある。
「本屋ウンチ」 に関する世の中の共感が、想像以上に大きいためか、「便秘を治すには本屋に行けばいい」 というもっともらしいお話まで取りざたされている。ちょっと冗談ぽいが、あながちでたらめでもなさそうだ。
インターネットで調べてみたら、多少は納得できそうな説が見つかった。Goo のやっている DOKIDOKI ダイエットというページである。(以下引用)
それは自律神経の働きとアドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどのカテコラミンの作用でしょう。(中略) 緊張や興奮という状況で腸の動きが活発化することがあるわけです。ならば、本にとても興味のある人は、本屋でドキドキわくわくできますから、それが自律神経を刺激して、便意をもよおすと考えるのが妥当です。とっても本が好きな人はそういうことがあっても不思議ではありません。
なるほど、とにかく 「ドキドキわくわく」 することが大切なのか。
ありがたいことに、私は世の中のあちこちでドキドキわくわくする機会に恵まれているためか、これまで便秘に苦しんだことがほとんどない。だから効果のほどは確認できないが、「本屋ウンチ」 は、本好き限定の便秘解消法といえるかも知れない。
ただし、よく考えてみると、そこには大きな落とし穴がある。
本屋でウンチがしたくなっても、トイレの個室がふさがっている場合がとても多いのだ。とくに、昼休みの時間帯、本屋のトイレの稼働率は異常に高い。
以前、こんなことがあった。
某大型書店の 1階で 「大」 の方の催しを覚えたが、トイレは 2階より上にしかない。おもむろにエスカレーターで 2階に昇ると、1つしかない個室は使用中で、しかも、ドアの前で青ざめつつ足踏みするオッサンがいる。こりゃ、ダメだ。
3階に昇る。そこも個室のドアノブの下には、無情にも 「使用中」 の赤い文字が。それならばと 4階に行く。女性用トイレしかない!
しかし、いくら切羽詰まっても性差を尊重するのは 4日前の私自身と同様である。それに、女性用トイレは拡充した方がいいと、一昨年の冬に書いてしまった手前、性差別だなんて、無粋な文句は言わない。
可能な限りのさりげなさを装って、三途の川の渡し場、最上階の 5階に昇る。使用中。地獄の一丁目を垣間見る。ヤケクソ気味 (なんて暗示的なメタファー!)に、あえて再び 3階に降りる。しかし、そこが人生の機微である。その頃には、便意はウソのように引いてしまっていた。
もうおわかりだろう。便秘に悩む迷える子羊が本屋に行き、せっかく久しぶりの天啓のような便意を催しても、天国に辿り着くには、なお狭き門をくぐらなければならないのである。
便秘になる原因の一つに、排便を我慢する習慣が上げられる。ということは、ここで我慢してしまっては、せっかく治りかけた便秘がますますひどくなるばかりではないか。気の毒な限りである。
「本屋ウンチ」 で便秘解消を狙いたい人に忠告する。少なくとも、来店の多い昼休みは避けた方がいい。
それに、大型書店は売り場に高そうな椅子をわざとらしく置くよりも、トイレを質量共に充実させる方が、より実質的な顧客サービスになると認識してもらいたい。
何しろ本屋のトイレは需要が高い。そして、本屋でトイレに入る客は 「本好き」 である確率が高いのだから、ウンチだけでなくお金だって、きっと落として帰るだろう。
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コメント
あおきまりこ現象?
投稿: c | 2005年10月 6日 12:16
>あおきまりこ現象?
それが発端のようです。
投稿: tak | 2005年10月 6日 20:52