「あれば便利」は「普段は邪魔」の別の言い方
「あれば便利」というもののかなりの部分は、「ない方が身軽」というメリットを無視しているように思う。
昨日の手帳論議の関連で思うのだが、「システム手帳」というのは、この「あれば便利」を野放図に取り込みすぎた結果、あんなにも分厚く権威的になってしまったのだろう。
自分でもシステム手帳を使った経験があって言うのだが、あの分厚いカバーに収められたリフィルのうち、本当に重宝して使えるのは、スケジュールなどを書き込むダイアリー部分と、フリーに使えるノート部分ぐらいのものである。
ToDo リストなんていうのは、スケジュール表を工夫することで事足りるし、電話番号・アドレス帳は、今ではケータイに入っている。「読みたい本、聞きたい CD、見たいビデオのチェックに」なんていう "Book, CD, Video Check" リフィルが必要なほど、超趣味人でもないし。
ましてや、日本全国の鉄道路線図、都内の地下鉄路線図、主要駅周辺の案内図、郵便料金表、年齢早見表、海外旅行に必要な物チェック表等々は、そうしょっちゅう必要になるものではない。
確かに「あれば便利」だろうが、「常に手元になければならない情報」というわけでもない。探せばどこにでもある情報を常に自分で持ち歩くというのは、かなりうっとうしい。
システム手帳ばかりではない。台所の「便利グッズ」なんていうのも、かなりそんなところがある。ジューサー・ミキサーをきちんと使いこなしている家は少なくて、ほとんどはしまいっぱなしだとか、大根の皮むき器なんてものが、どっかの片隅にあったはずだけれど、つい手近の包丁で済ましてしまうなんていうのは、よく聞く話である。
小さいサイズの文房具をセットにしたものとか、歯ブラシや爪切りなどの旅行グッズのセットなんかを、プレゼントにするのが流行ったことがある。私もいくつかもらったことがあり、何度か出張に持っていったが、余計なものまで入っていてかえってかさばるので、すぐに止めた。
アーミーナイフに、鋏、爪切り、ドライバー、缶切り、コルクスクリューなど、ありとあらゆる機能を詰め込んだものがあるが、あれで爪を切っている人を見たことがない。今どきあんなものをポケットに入れていたら、飛行機に乗れないし。
そんなことを思いながら、改めて家の中を見回すと、あるわあるわ、「あれば便利だが、なくても全然困らないモノ」だらけである。それにここ数年、一度も使ったことのない道具だって、いくつもある。
要するに、「あれば便利」は「普段は邪魔」の別の言い方に過ぎないのである。
そろそろ年末の大掃除が近づいてくる。今のうちに、捨てる物はどんどん捨てて、身軽な暮らしにしてしまおう。
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