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2005年12月 1日

姉歯のオッサンの件で考える

姉歯建築士とやらの耐震強度偽装問題は、そろそろ他人事ではなくなってきた。このオッサン、日本中の安いビジネスホテルの耐震強度計算も、かなり引き受けていたらしい。

私なんぞは、こんな仕事だから、日本中のあちこちに取材で出張する。そして、安いビジネスホテルに泊まる。ちょっと恐い話である。

問題は、姉歯というオッサンが飛び抜けて悪かったのか、あるいは、うじゃうじゃいる偽装建築士の中の氷山の一角かということだ。もし彼が氷山の一角で、日本中至る所に耐震強度を偽装したホテルが乱立しているとしたら、もう、安いビジネスホテルには安心して泊まれない。

ただ、ちょっとだけ安心かなと思うのは、九州の建設会社である木村建設なんていう会社が、千葉市川くんだりの (市川市の人、すまん!) 姉歯建築設計事務所に耐震強度計算を発注しているという点だ。

偽装のプロが日本中にいるのなら、わざわざ九州の会社が千葉の会社に発注したりはしないだろう。つまり、姉歯のようなオッサンが日本中にゴロゴロいるというわけではないので、手近で済ませるわけにいかなかったと私は推定しているのだが、それは甘いだろうか。

姉歯建築士に頼んだのは東京支店だなんてツッコミをされたら、またぞろ不安になるが、このオッサン、本社や他の支店の発注と思われるのも、結構こなしてるみたいだし。あぁ、どうなんだろう。

このケースを裏から見れば、「耐震強度をごまかして建築コストを抑えたいなら、市川市のオッサンに強度計算を頼めばいい」ということが、はるか九州まで知れ渡っていたということなんじゃなかろうか。「耐震強度偽装界にこの人あり」というぐらいのものか。

おまけに、民間審査機関のイーホームズの方は、審査が飛び抜けて甘いことで有名だったという話もあるし、こんなんでは、誰かがタレコミしてしまうのは時間の問題だっただろう。

不運にもカス・マンションを掴まされた人には甚だ気の毒だが、今回のケースは、下手にごまかしをしたら、バレた時に会社が潰れてしまうぞ、責任者が命を落としてしまうぞという実例として、日本中に警鐘を鳴らす役割を果たしたと考えれば、少しは腹の虫も収まる。

しかし、ごまかしをしたら会社がおかしくなるなんてことは、以前の牛乳、牛肉、三菱自動車などのケースでわかっていたはずなのに、ちょっと業界が変わると、自分への警鐘だとは思わないらしい。

こんなことでは、すべての業界で似たようなごまかしが発覚しないと、日本の産業界はクリーンにならないんじゃないかとまで思ってしまう。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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» THE 建築士 [毎日がはっぴい。]
構造計算書の偽造で、すっかり有名になった姉歯さん。 今度はゲームになって登場しました。 どんなゲームか気になります・・ ? ・・・でも、買う人いるのかなぁ? などと、心配していたら・・・なんと・・ 合成写真でした・・・・・_| ̄|○ililil ダマサレ... [続きを読む]

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