サービス市場は極端に振れる
10日の夕刻に盛岡から帰宅して、一息ついて初めて気が付いたのだが、ちょっと体調を崩したみたいである。これ以上無理したら、本格的に風邪を引いてしまいそうだ。
どうやら、ホテルの暖房が効きすぎて、温度調節がうまく行かず、かえって寝冷えしてしまったような気がする。
これからの季節、よくあることなのだが、ビジネスホテルの暖房の効き過ぎが、悩みの種だ。「強・中・弱」の 3段階あるうちの、「弱」 にしても温度が上がりすぎる。ホテルの中は空気が乾燥しているから、汗をかいてもすぐに蒸発してしまい、むやみに体が火照るばかりだ。
こんな時は、暖房を切ってしまうに限る。自分の部屋の暖房を切っても、両隣の部屋の暖房が入っているおかげで、ちょうど良い温度に保たれることが多いのだ。
しかし、今回の盛岡の夜は違っていた。自分の部屋の暖房を切っても、まだ暑いのである。部屋の窓を少し開き、外気を取り入れて調節する。冷えすぎる。窓を閉める。なまじ気密性がいいので、すぐにまた暑くなる。窓を開ける、また冷えすぎる。その繰り返し。
諦めてベッドに入れば、かかっているのは分厚い羽毛布団。こんなに暖かいのなら、アッパーシーツに毛布 1枚で十分なのに、これでは、眠っているうちに、どうしても布団を蹴飛ばしてしまう。
おかげで、暖房が効きすぎるために、汗をかいて寝冷え気味になるという、奇妙なジレンマに陥ってしまうのだ。朝、目覚めたときに何となくかったるい気がしたのは、そのせいだったろう。
逆に、真夏には冷房が効きすぎることが多い。和室スタイルの宿では、冷房をキンキンに効かせながら、分厚い羽根布団をかけて眠らされるところが案外多い。
省エネ、省エネと言う割には、ホテルというところは、かなり無駄にエネルギーを使っている。
多分、夏には極端な暑がりのオッサンが冷房を強めるようにクレームをつけ、冬には冷え性の女性が暖房を強めるようにクレームをつけるのだろう。それで、温度設定は極端に走る。
困ったことに、クレームをつけたがるのは、極端な暑がりと寒がりで、普通の体質の人はだまって耐えてしまう。こうして市場はいつの間にか極端な声に誘導されてしまう。
これは、ホテルのエアコンの話だけではない。サービス市場というのは、極端な要望に対応しがちなので、普通のユーザーにとっては 「そこまでしなくてもいいのに」 と、違和感を覚えることが案外多い。
一例を挙げると、百貨店の開店直後に入ると、社員・店員がずらりとならんで最敬礼して迎えられることがある。あれなんか、私は気持ち悪くてしょうがないんだが、意識が横並びだから、他がやってる以上、止めるに止められないんだろうなあ。
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コメント
私はガムテープを携帯していて、排気口?をふさぐことにしています。
特に効き過ぎた冷房には。
投稿: alex99 | 2005年11月11日 23:38
コメントに気付くのが遅れて、レスも遅れました。失礼しました。
>私はガムテープを携帯していて、排気口?をふさぐことにしています。
>特に効き過ぎた冷房には。
なるほど、そりゃ名案。
そのままにして帰りたくなっちゃいますね。
投稿: tak | 2005年11月13日 21:17