猪口邦子先生はすごい!
内閣改造という年中行事(?)の度に、業界記者としてのキャリアが長かったせいで、経済産業大臣が誰になったかということ以外には、しばらく興味が失せていたのである。
しかし、今回は少々 「おや?」と思うことがあった。猪口邦子さんの「少子化・男女共同参画担当相」というポストである。
いや、別に、猪口さんのあの青いお姫様ドレスに「おや?」と思ったというわけではない。あのドレスには「おや?」というよりは、「うわっ!」と思ってしまったので、また別の問題だ。女性誌では、片山さつきさんの「聖子ちゃんヘア」を凌ぐ話題になるかもしれない。
調べてみると、こうした職位は平成 13年の中央省庁再編に伴って制定された「特命担当大臣」という制度によるもので、以後、「男女共同参画担当大臣」というポストはずっと存続して、福田康夫氏、細田博之氏が歴任している(参照)。へえ、不勉強なもので知らなかった。
話を元に戻そう。私がどうして「おや?」と思ったかというのは、先月、マドンナ議員 3人(猪口邦子、片山さつき、佐藤ゆかり、敬称略)が外国人記者クラブで、英語で記者会見したというニュースが流れたことを思い出したのである。
この記者会見で、猪口さんは "Mr. Koizumi is the most gender-minded prime minister." と口走り、この発言でどっと湧いてしまった外国人記者団を、「何がそんなにおかしいのよ!」とでもいうように、目を剥いてにらみつけていらしたものである。
この発言だが、ニュースの字幕(ANN系)では「小泉総理は男女差別の意識のない人です」と翻訳されていた。まあ、文字通り直訳すれば、「小泉さんは最もジェンダー意識をもった首相です」ということになるのだが。
問題は "gender-minded" という言葉の意味合いで、インターネットで検索したところ、「男女差別意識をもつ」という意味合いと、「ジェンダーに配慮した」という意味合いの両方で用いられているようなのだ。(以下、用例の紹介、翻訳は当管理人)
those heterosexuals or more traditionally gender-minded folks ...
異性愛者(管理人 注: つまり、いわゆるノーマルな連中)または、より伝統的な「ジェンダーマインディッド」な民衆は・・・
feminist or at least gender minded musical scene
女権主義者、あるいは、少なくとも 「ジェンダーマインディッド」 な音楽シーンでは・・・
このように、"gender-minded" という言葉は、文脈によって正反対の意味になってしまいがちな、かなり要注意な言葉のようなのである。
まあ、このどちらの意味に取られたとしても、「小泉さんは最も "gender-minded" な首相」と、突然大見得を切られたら、どっと湧いてしまう外国人記者たちの気持ちは、よくわかるような気がする。
それから、この記者会見があったのは先月の中頃だったわけだが、ここで猪口さんがとってつけたように、「小泉さんは最も "gender-minded" な首相」という発言をしたということは、この時点では既に「少子化・男女共同参画担当相」というポストへの打診があったのではなかろうかと、想像逞しくしてしまうわけである。
今回の内閣改造の少なくとも半月前には、内密にいろんな打診をしていたのかなと思ってしまうわけだ。猪口さん、代議士になってすぐに閣僚になっちゃうのがうれしくて、トボケ通すのにちょっと我慢ができなかったのかも。
どっと湧いた外国人記者団をにらみつけていたのは、「あんたたち、私のこの発言の意味のわかる日が、おっつけ来るわよ」ということだったのか。はいはい、確かによくわかりました。
ところで、「玄倉川の岸辺」というブログの記事(参照) で知ったのだが、上智大学の猪口教授の顔写真、ものすごい (恐い物見たさで行ってみたい人は、このページの 「基本写真1」 をクリック。 Firefox の場合は、拡大してみられたし)。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- アサド政権崩壊を機に、中東地域のお勉強(2024.12.10)
- 韓国で大統領なんてやっちゃうと、やっぱり ・・・(2024.12.04)
- ロシアに移民したがるやつなんていないよ(2024.11.25)
- 「さいとう元知事」が「〜元彦知事」というセコい戦略(2024.11.23)
- 今回の兵庫県知事選挙の、世論誘導に関する大きな教訓(2024.11.18)
コメント