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2006/01/27

急ぐな、レクサス!

私は昨年 8月 27日付で、トヨタの新戦略ブランド「レクサス」について、「成功するにしてもかなり時間がかかる」と予言している。

その後、伝えられるのは「レクサスの販売好調」という報道ばかりだったが、結局は「販売は目標の半分にとどまる」ということに落ち着いたようだ。「ほぉら、やっぱりね」である。

私のエントリーの直後、8月 31日の Nikkeibp には、「早くも納期待ち、年内分完売の車種も」なんていう記事が載り、さらに車関連の情報サイト Response には、10月 31日付で 「販売好スタート、受注台数が目標の 2倍」という記事が載るなど、ずいぶん景気のいい話だったのである。

私としては、「おかしいなあ」と、内心穏やかではなかったのである。こういう話は、私の直感はかなりよく当たるのだが、どうやら今回ばかりはトヨタの底力の前に降参かなと思っていたのだ。

しかしそれにしては、街でレクサスの車なんて、それほどには見かけない。オーナーたちは購入したはいいが、もったいなくて車庫にしまいっぱなしなのか? それとも、発注はしたものの納品待ちで、まだハンドルを握れないとでもいうのか?

実は、そのどちらでもなかった。要するに、さほどは売れてなかったのである。販売開始直後は新し物好きのご祝儀発注が膨らんだが、その後はたちまちスローダウンしてしまったようなのだ。

高級ゾーンで名を売ったブランドが、ワンランク下の大衆品(「ディフュージョン・ブランド」なんていう)を展開する場合には、マーケティングは案外楽だが、大衆品のサプライヤーが高級品に上向きシフトするというのは、かなり大変なことなのだ。

しかも、レクサス・ブランドのスタートにあたり、フラッグシップ車種となるべき LS(旧セルシオ)の開発が間に合っていない。トヨタとしては尾張人の慎重さで、比較的安めの車種から投入して動向を探ろうという思惑もあったのかもしれないが、やはりインパクトに欠けたのは否めない。

レクサスとしては昨年夏以降、イメージ構築に必死の努力をして、LS 投入後はさらに上のイメージを作らなければならない。ゴムが伸びきった状態では、かなりしんどいかもしれない。

個人的な趣味としては、地球にやさしい「エコ」な生活が求められる現在、3リットルだの 4リットルだのの大型エンジンを積んだ車に乗ろうなんていう気は、負け惜しみじゃなく、さらさらない。マーケット的には、案外辛いところだと思う。

いくら景気が回復しているといっても、レクサスの成功には、やはり時間がかかるだろうと思うのだ。

【平成18年 9月 12日 追記】

その後の経過は、「レクサスは失敗したわけじゃない」(H18.06.12) に記載されている。

 

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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