厳冬の経済効果だって?
第一生命経済研究所というところが、厳冬の経済効果は 6500億円超で、年間 GNP を 0.1% 押し上げると発表したそうだ。(参照)
数字にしてみたらそうなるのかもしれないが、大雪にあえいでいる日本海側の人たちからすると、「何というノー天気なことを」と、ちょっと反感を買ってしまうかもしれない。
こういうことは、大きな声で発表したところで、「よくぞ言ってくれた」ということにはならないんじゃなかろうか。そっと目立たないように言ってくれればよかったのに。
消費増加の要素が「暖房器具や冬物衣料などの売れ行きが伸びることと、光熱費の増加」というのでは、あまりハッピーな話ではない。喜んで金を払うのと、仕方なく支出するのを一緒くたに「経済効果」と言ってしまっては、消費者感情を逆なでする。
ましてや、「寒波で外出が手控えられ、交通費や通信費の支出が減少するなどのマイナス効果もある」とか「冬の間の過剰消費で、2月以降は逆に消費が抑制される可能性もある」とかいうのなら、「経済効果」を謳う発表の仕方、いわゆる「ストーリーづけ」にも疑問が残る。
衣料支出という点では、私は昨年 11月に、「ウォームビズ」はそれほど期待できないんじゃないかという記事を書き、 "もしかして需要があるとすれば、レディスの「ウォームビズ」である" と述べている (参照)。
これはまだ現在進行形の話なので、統計的な数字は出ていないが、あちこちのブログを見ると、「ウォームビズでオフィスが寒くてたまらない」(かなり変な言い方だが)として、保温性肌着を買いに走っているのは、主に女性たちのようだ。
寒い寒いとはいいながら、オジサンたちは依然としてオフィスでは暑がりである。元々、冬場でもジャケットを脱いで腕まくりして仕事をしていた人も多いのだから、都会のオフィスで暖房温度をちょっと下げたぐらいでは、「ちょうどいい」ぐらいのものかもしれない。
それにしても、大雪の地方の人たちの苦労が思いやられる。いくら忍耐が血肉となったような人たちでも、老齢となったら身に応えるのである。
この寒波が早く息切れしてくれることを祈る。
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