正しい「生玉子かけご飯」
TBS ラジオ「ストリーム」に、日本人の行動のスタンダードを探るという趣旨の「えびしゃけ」というコーナーがある。
このコーナーの昨年最後のテーマは、「卵かけごはんは、卵を混ぜてからかける?それとも、ごはんにかけてから混ぜる?」というものだった。(参照)
「えびしゃけ」 というタイトルは「海老の尻尾やシャケの皮を食べるか、否か」ということで、日本人のちょっとした行動パターンを、聴取者の反応を元に探るというのが狙いである。
卵に関しての結果は私の予想通り、
- 卵を混ぜてからかける・・・69%
- ごはんにかけてから混ぜる・・・31%
ということで、やはり「卵を混ぜてからご飯にかける」派が、ほぼ 7割近くに達した。かくいう私も「混ぜてからかける」派である。
ただしこのテーマは、単にこれだけで済ませてしまうのは甚だ心残りである。もっと追求したいことがある。
それは、「卵を混ぜてから醤油を入れる」か、「醤油を入れてから卵を混ぜるか」ということである。実際に番組を聞いていたところでは、「醤油を入れてから卵を混ぜる」という人が少し多かったような気がする。
しかし、私は断然 「卵を混ぜてから醤油を入れる」派である。その理由は、その方がずっと卵と醤油がしっくりとミックスされる感覚があるからだ。醤油を入れてからかき回しても、いつまでも分離されている気がする
だから私にとっての正しい「生玉子かけご飯」は、玉子を割って器に入れ、よくかき混ぜてから醤油を入れる。そして、それをおもむろに暖かいご飯にかけて食べるのである。これが一番美味しいやり方だと思う。
お気づきだろうか? 私は正しい「生玉子かけご飯」と表記した。TBS ラジオのウェブページでは「卵かけごはん」となっているが、このテーマ、正しさにこだわったら、表記と言葉遣いからして 「生玉子かけご飯」 なのである。
"卵" と "玉子" の使い分けに関しては、「生物学的には "卵"、食材としては "玉子" 」というのが一般的のようだ。あるいは、「生の場合は "卵"、料理されたら "玉子"」という説もある。
「生玉子かけご飯」に関しては、「醤油を入れる」というプロセスを経た以上、生であっても「生玉子」という名の立派な「料理」であり、それ故に、「生玉子かけご飯」と表記されるべきだと信じるのである。
私は週に一度ぐらいの割で、朝食として無性に 「生玉子かけご飯」 を食べたくなる時がある。これは最高に洗練された朝のメニューの一つである。
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コメント
「玉子かけご飯」ですか。(←私はこの言い回しが一番しっくり来ます。"かける"という行為が"生"でなければ出来ないので、"生玉子かけ"では重複表現のように思えるからです)
私の場合は、「玉子を混ぜてから御飯にかける」という手順です。
ただし醤油に関しては、「玉子をかける前に御飯にまぶしておく」のがいいです。
このほうが、味がまんべんなく行き渡るような気がしているんですが…少数派でしょうね。
それに玉子は事前に冷蔵庫から出して常温まで戻しておき、あつあつの御飯が基本ですよね。
ところで、「卵」と「玉子」の区別ですが。
私の認識としては、
・「卵」 =魚や鳥、爬虫類や両生類まで含めた総称
・「玉子」=ニワトリの卵にだけ使う俗表記(生を含む)
です。
ですから、「イクラは、しゃけの玉子」なんて書き方をされると気持ち悪いですね。
投稿: 龍神飛翔 | 2006年1月 7日 03:44
おかしいな~。
私のコメントが消えている。
投稿: alex99 | 2006年1月 7日 10:12
龍神飛翔さん:
>「玉子かけご飯」ですか。(←私はこの言い回しが一番しっくり来ます。"かける"という行為が"生"でなければ出来ないので、"生玉子かけ"では重複表現のように思えるからです)
う~ん、微妙なところですね。
私は、「生玉子」 と言った時の、あのどろっとした感じを失いたくないので、「生」 の字はとりたくないんですよ。
それに、炒り卵でも 「かける」 ことはできるかな。
それとも、あれは 「のせる」 というべきかな。
難しいところです。
醤油をご飯にまぶしておくというのは、初めて聞きました。
今度トライしてみようかな。
>・「卵」 =魚や鳥、爬虫類や両生類まで含めた総称
>・「玉子」=ニワトリの卵にだけ使う俗表記(生を含む)
>です。
>ですから、「イクラは、しゃけの玉子」なんて書き方をされると気持ち悪いですね。
まさにその通りですね。
「卵=生物学的、玉子=食材」 と言う前に、「ニワトリの場合」 という但し書きを付けるべきでした。
ところで、ウズラの場合はどうなるんだろう?
ニワトリに準じてるかな?
投稿: tak | 2006年1月 7日 11:36
alex さん:
>おかしいな~。
>私のコメントが消えている。
ココログは、記事やコメントをアップする機能は、さんざん重いことはあっても、消えることまではないと思ってたんですが、ついにそんなこともあり得るようになりましたか。
大変お手数ですが、もう一回、書いてもらえますか?
(端折っても結構ですから)
alex さんの見解、興味津々ですんで。
投稿: tak | 2006年1月 7日 11:42
いや、それほど大したことを書いたわけではないので、かえって恐縮ですが。
私は、生玉子をかけて、醤油をかけてから、かき混ぜる程度に済ませることが多いようです。
生玉子をかけて攪拌し、醤油をかけて攪拌すると、なるほどよくミックスされるのですが、生玉子の特に白身の部分のドロドロとしたフレッシュな部分が原状を失ってしまいますよね。
それが私にはちょっと残念なのです。
もしあえて、よく攪拌するプロセスを選択するとすれば、時々私がやるように、生玉子を二つ!かけるという異端の道を選ぶでしょう。
つまり、ゾルよりゾルを!と言う欲求が強いのだと思います。
私はオムレツに於いてもそうなのです。
welldownより rare な、ドロドロで、未だ白身がかろうじて現状維持しているようなものが好きです。
なお、末節ながら? 生玉子ご飯に、味付け海苔・鰹節・お漬け物などをのせて食するのも楽しみです。
好みによって、未だいろんなヴァリエーションがあるとは思いますが。
例えば、ひんしゅくものかも知れませんが、伊豆諸島の名産・くさやとか、アンチョビとか・・・。
さらに醤油の代わりに、秋田の「しょっつる」とか、能登の「いしる」という魚醤をかけるというのもいいかも。
投稿: alex99 | 2006年1月 7日 14:42
訂正
ゾルよりゾルを → ゾルよりゲルを
投稿: alex99 | 2006年1月 7日 14:43
この生玉子にのせる具というテーマは、東南アジアの朝飯である、店頭で食べる朝がゆの具にも共通するかもしれません。
鶏肉とか香草とか、いろいろありますので。
投稿: alex99 | 2006年1月 7日 14:46
>生玉子をかけて、醤油をかけてから、かき混ぜる程度に済ませる
これは、「ごはんにかけてから混ぜる」 のバリエーションですね。
>ゾルよりゲルを
??? う~ん、わかったようなわからないような。
つまり、過度に撹拌されるよりも、白身独特のどろっとした感覚重視ということでしょうか。
>生玉子ご飯に、味付け海苔・鰹節・お漬け物などをのせて食するのも楽しみです。
味付け海苔、鰹節までは私もやることがありますが、お漬け物までは、ちょっと考えが及びませんでした。
ましてや、くさや、アンチョビは、完全に想定外です。
とはいいながら、私は熱いご飯にいかの塩辛をたっぷりかけて食うのが好きです。
家族の誰も真似しようとしませんが。
それにしても、人それぞれで、いろんな流儀があるものですねぇ。小さなこだわりは大切にしたいものです。
投稿: tak | 2006年1月 7日 18:54
私も一票。
私は混ぜない派です。
厳密に言うと、先混ぜしない です。
どんぶりに鶏卵1~2個を割り、しょうゆをたらし、その上にご飯。
その後箸でかき混ぜます。alexさんとおなじく白身のドロリがないと寂しいです。
しょうゆの代わりは塩気とうまみのあるものなら何でも。塩昆布でもいけます。
納豆を使うときは、納豆とたまごとめんつゆ、からしをよく混ぜてからご飯にかけます。
もっとガッツのある朝は、どんぶりご飯にちりめんジャコ(乾)をたっぷりかけ、そこへマヨネーズをかけてかき混ぜて食べます。
「生」の件ですが、私にとって卵は完全に火が通ってはいけないものなので「生」をつけなくても生です。ですので「たまごご飯」がしっくりきます。
以上、お邪魔しました。
投稿: まる | 2006年1月12日 14:31
へへぇ、玉子が先でご飯が後と。
いろいろなやり方があるものですね。
この問題では、地平線が広がった気がします。
投稿: tak | 2006年1月13日 08:35