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2006年2月 5日

雪女は実在した

いつもの冬なら、いくら 「寒波襲来」 などと言っても、半月と続かず、息切れしてしまうのだが、この冬は、昨年 12月頃からかれこれ 2か月近くも冷え切ったままだ。

近頃は暖冬のおかげで、春の選抜甲子園野球で北海道・東北勢も活躍していたが、今年は全滅かも知れない。

最近は正月頃に田舎に帰っても、学校のグランドには雪がなく、野球部が元気よく練習しているという風景を何度もみた。しかし、この冬に限っては、グランドで練習どころではない。春の選抜は、「ぶっつけ本番」みたいなものだ。

一昨日あたりから、またしても冬型の気圧配置が強まって、日本海側は軒並み大雪になっている。そのとばっちりをまともに受けたのが、私の妹だ。

寝たきりの母の介護をする父の応援のために、一昨日の朝に東京の自宅を発ち、羽田から飛行機で庄内空港に向かったのだが、酒田の上空で、厚い雪雲の中を何度も旋回するばかりで、一向に着陸できない。ついに、羽田に引き返してしまった。

それならばと、東京駅から上越新幹線に飛び乗った。新潟までは難なく着いたのだが、そこから先が猛吹雪で大変なことになる。

先だって強風で脱線転覆して有名になった「特急いなほ」に乗り換えて酒田に向かったが、一向に進まない。途中で何度も止まりながら、山形県に入る直前の新発田駅で「運行断念」ということになってしまった。

3時間待ったあげく、JR の手配した特別バスに乗って北上したが、日が暮れての吹雪の国道 7号線は、命知らずでもなければあまり運転したくないような状況になる。のろのろと進むうちに、前方でダンプカーがスリップ事故を起こし、1時間以上も立ち往生。

ようやく酒田駅前についたのが、夜明け前の 4時頃だったという。マイナス 5度の中で、タクシーの列に並ぶ。本来ならば、自宅まで歩けない距離ではないのだが、妹の言うには、「夜も明けないのにあの地吹雪のなかを歩いたら、遭難しそうだった」ということだ。大ご苦労だったわけだ。

この妹、昨年末も酒田から東京に帰るのに、羽越線が特急いなほの事故で不通だったので、高速バスで仙台まで行くのに、峠越えで大変な難儀をしている。「雨女」ならぬ「雪女」のようなのだ。

今日の酒田は、最高気温がマイナス 2度になると予報が出ている。一日中氷点下だ。春の来るのを待つばかりである。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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コメント

いや~、妹さんも難儀でしたね。
しかし、続けざまに2度も、しかもよりによって今冬最大級の地吹雪にばっちり2回とも当たるなんて・・・。(-_-;Aほんと雪女。

私も先日の金曜日はPTAの集まりがあったのですが、スゴイ地吹雪で市内大渋滞(市内さえも地吹雪で全く何も見えなかった)。集会も時間になっても数人しか集まらない状態でした。
開始時間を30分以上遅らせたら、ほぼ全員集まりましたが、その間、皆さん誰も不満一つ言わずにじーっとひたすら待っていました。
こんな事が良くあるので雪国の人々は我慢強くなるんですよね~。

本当に、春よ早く来い!です。

投稿: いどさん | 2006年2月 5日 13:24

いどさん:

金曜日は大変だったみたいですね。
庄内 Cam さんの画像を見ても、山居 Cam さんは雪がガラスを覆ってしまったようで、何も見えませんでした。

http://www10.plala.or.jp/nob-t/shounai.html

>開始時間を30分以上遅らせたら、ほぼ全員集まりましたが、その間、皆さん誰も不満一つ言わずにじーっとひたすら待っていました。

本当に、庄内人は我慢強い。
文句も言わずに耐えるという点では、庄内人と新潟人はすごいです。

投稿: tak | 2006年2月 5日 15:47

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