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2006年3月 5日

東京人は、のんびり屋さん

朝の通勤時間帯、都内のターミナル駅の乗り換えなどでプラットフォームの階段を上り、コンコースを移動するとき、私はしばしば、前がつっかえて動かないことにいらいらする。

「江戸っ子はせっかちだ」 なとどいうが、実際の東京人のほとんどは田舎から出てきた田舎者なので、案外のんびりしている。

私はそれほど急いで歩いているつもりではないのだが、それでも、周囲のスピードは「穏やか」過ぎる気がする。「この忙しい時間帯に、どんな気分になると、そんなにゆっくりと歩けるのだ?」とさえ思うほどだ。

ところが、大阪に出張したときなどは、まったく違う。私に土地勘がないので、ややゆっくりになりがちということもあるのだろうが、周りにどんどん追い抜かれる。それはもう、見事なものである。

大阪にしたって、畿内を中心とした田舎から出てきた者がかなり多いはずなのに、誰もがあれだけスタスタ歩くところをみると、大阪人の 「いらち」というのは、かなり伝染力が強いものと見受けられる。

その大阪人が舌を巻くのが、香港人のスタスタぶりである。歩く速さが速いだけではない、香港のエスカレーターのスピードたるや、恐ろしいものがある。ステップに足を乗せた途端に、有無を言わせずぐいっと引っ張られるので、慣れないものはむち打ちになりそうなほどだ。

総体的に見て、東京人の歩くスピードはかなりのんびりしていると思う。どこでも田舎はのんびりしていると思うので、行ったことのある都市だけの印象になるが、人の流れのあまりののんびりさ加減にいらいらするというのは、東京以外ではあまり経験しない

これも、何事も迅速に運ばない中央集権システムの弊害(参照)によるものだとは言わないが、あるいは何か関係があるかもしれない。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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