お客様は神様です
平成 15年 8月の当欄でも書いたが、米国の中堅スーパー、ステュ・レナーズの社訓は、「お客はいつでも正しい」 ということだ。
正確には、「規則 1: お客はいつでも正しい。規則 2: もし、顧客が間違っていたら、もう一度、規則 1 を読むべし」 日本流に言えば、「お客様は神様です」 みたいなものだ。
元の英語では、次のようになっている。
Our Policy:
Rule #1 -- The Customer is Always Right.
Rule #2 - If the Customer is Ever Wrong, Re-Read Rule #1
このように書かれた立派なモニュメントみたいのが、店内に飾ってあるのを、現に私も 3年前に見た。これは徹底した顧客志向のモデルケースとして、マーケティングの世界でも時々話題になっている。
しかし、現実問題として 「お客は常に正しいか?」 ということになると、そうも思えないことが多い。4年も 5年も前に買った服の袖口がほころびたといって、クレームをつけるお客もある。4~5年も着れば、服の袖口というのは、フツーほころびるものである。
きれいでしなやかな髪の女優が CM をするシャンプーとリンスを使っているのに、自分の髪が、「あんな風にふわっと風になびかないじゃないの!」と、わざわざ電話してくるお客もいる。
消費者の中には、とてもインテリジェンスの高い人もいるが、中にはちょっとずっこけそうな人もいるということだ。それでも、顧客志向はしなければならないのだから、製品のサプライヤーというのは、なかなか気苦労の多いものだ。
ところで、件のステュ・レナーズの社訓だが、あれは社訓というよりは、したたかなイメージ広告として機能していると思う。
社訓というなら、スタッフの心構えとして徹底するために、オフィスやバックヤードに掲示しておけばいいのだが、あんな風に売り場の目立つ位置にもっともらしく飾ってあるというのがミソだ。あれはまさしく、外に向かった 「広告」 なのだ。
あれで顧客をいい気分にさせるのである。まさに「お客様は神様です」と言っているようなものだ。
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