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2006年3月18日

WBC のいびつさ

ふーん、アメリカン・ベースボールというのも、日本の大相撲と似た状態だったんだ。「土俵」としてのメジャーリーグは、そりゃ世界一だが、横綱は外国人だったというような。

今回の WBC の主催者、見通しの甘さ加減に地団駄踏んでるかもしれない。準決勝以後のトーナメントが、お金にならないんだもの。

主催者は、米国チームは当然の如く決勝戦に進出して、悪くても 2位ぐらいの目算でいたんだろうなあ。優勝は、メジャーリーガーどっさりのドミニカあたりなら、何とか言い訳できるし。

しかし、野球という競技は、なかなかくせ者である。昨年のパリーグのプレーオフを見ても、レギュラーシーズンではダントツで首位だったダイエーが、ころりと負けてしまうのだもの。

それに、野球の 「実力」 というのは、案外微妙なものだと、私は前々から思っていた。なにしろ、各シーズンの優勝チームの勝率は、大体 6割前後で、5割台での優勝というのも全然珍しくない。

つまり、シーズン平均で、3回やって 2回勝てなくても、余裕で優勝という競技なのだ。短期決戦なら、どこでどう転ぶか知れたものではない。そうした意味では、2次リーグを、アウェイとホームで 2回戦うというシステムにしなかったのは、大いなる誤算だった。

とはいいながら、プレシーズンにそんな時間をかけたご丁寧なことをすることにしたら、メジャーリーグの反対で WBC は実現しなかっただろう。つまり、今回の急ごしらえの大会は、初めからいびつなシステムだったのだ。

そこから目をそらせたのは、「米国が決勝に行けないわけがない」 という信じ込み以外の何物でもなかったろう。その 「信じ込み」 が強すぎて、米国の選手は調整が中途半端だったということもあるだろうし。

彼らにしてみれば、WBC でいくら頑張っても、レギュラーシーズンでその反動が出てしまったら、給料に関わるのだから、かなり歯がゆいところだろう。

その一方で、よく言われることだが、韓国選手のモチベーション、異常に高い。兵役免除という、鼻先にぶら下げられた人参は、ものすごい威力だったようだ。こんなことなら、兵役免除措置はそんなに急がずに、準決勝にも勝って 3位以内が決定した時点で、初めてお墨付きを与えるということにしておけばよかったのに。

せっかく日本に 2勝しておきながら、3度目で気がゆるんで負けたりしたら、今回の微妙なタイミングが揶揄されかねない。そんなことにならないように、それはそれで必死に頑張るだろうけれど。

でも、もし今度は日本が勝ったりなんかしたら、2次リーグで 1勝 2敗のチームが 「世界第 2位」 だなんて (下手したら、もっと上の可能性だって生じるし)、それはそれで、ちょっとこっ恥ずかしいだろうなあ。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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