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2006年4月25日

マニアックな常識?

「常識力検定」 というものがある。常識力検定協会という団体が実施していて、合格率は 3級は 70%近いが,2級は 50%、1級は約 10%という難関だそうだ。

しかし、10人に 1人しか合格できない「マニアックな常識」なんて、本当に「常識」という名に値するんだろうか。

試しに同協会のサイトで、オンライン診断テストというのをやってみた。このテスト、Firefox では正常に動作しないという、ネットの世界の常識違反を犯しているので、しかたなく IE を起動して、回答を送信したところ、結果はランク A の 100点だった。

ただ、すべてが自信満々の回答だったわけではなく、四択の中から「多分これだろう」と、類推で答えたのが、一つだけある。案の定、それが正解だったわけだが、四択でなかったら、答えられなかった。だから、私の正味の「常識力」が満点というわけではないようだ。

しかしその問題というのは、2002年 5月実施の 1級問題から選ばれた「地雷禁止国際キャンペーン」の略語は何かというもので、正解は "ICBL" だそうだ。

多少英語がわかれば "International campaign" "Ban" "Landmine" を組み合わせて、自ずから正解できるが、それでも、こんなもの知らなくても、「常識知らず」とのそしりを受けることはないだろうし、日常生活でも全然困らない。

合格率が 50% という 2級までは、一応「常識力」と認めるにやぶさかではない(最近は、「常識知らず が世間の半分ぐらいはいるような気がするので)が、合格率 10%となったら、そりゃ、「常識」ではなく、「マニアック知識」に近いんじゃないか。

先日、どこだかのサイトで、「名刺交換をしたら、その名刺をどうしたらいいか」という問題があった。正解は「テーブルの上に、役職が上の者から順番に並べて置く」のだそうだ。そんなもん、私は全然気にしたことがないぞ。

強いて言えば、相手が 3人以上だった場合など、テーブルの向こうの名前と顔を一致させるために、実際に並んだ順にテーブルに置くということはある。しかし、その回答の説明によると、どうせ相手も役職順に座るので、結果的に同じ順になるということだった。

だが経験から言わせてもらうが、相手がテーブルの向こうに、いつも役職順に並ぶとは限らない。そうでないことだって、いくらでもある。世の中、そうそう「常識人」ばかりではないのだ。

それに、相手が 1人か 2人だったら、さっさと名刺入れにしまってしまうことも多い。それでどうこう言われたことなんか、一度もないぞ。それに、国際ビジネスになると、「名刺交換」なんていうセレモニアルな儀礼はあまりないから、無頓着で一向に構わない。

そりゃあ敬語の使い方や、救急知識など、本当に「常識」として知っておきたいことは山ほどあるが、どうでもいい枝葉末節にもっともらしくこだわって、「常識」として押しつけるというのは、世の中を住みにくくする元なんじゃなかろうか。

かく言う私も、先日仕事で、その道では国際的権威という某大学教授にインタビューした際に、先方が「それは的を得ている」を連発されたので、原稿を書く際には、誠に恐縮ながら、「当を得ている」に置き換えるという、世間の薄っぺらな常識に迎合した余計なお世話をしてしまったのだが。(??? と思った方は、こちらを参照)

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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学問・資格」カテゴリの記事

コメント

あれ?私のやったのとは問題が違うみたい。
ICBLなんていう難しい問題はなかったです。

結果は100点!ほほほ・・・( ^∀^)

私に満点をつけるなんて、なんて非常識な採点でしょうか。

手紙の頭につける言葉と最後につける言葉で間違っているのはどれか?という問題は勘で正解。
勘で正解は正解なんでしょうかねぇ・・・

投稿: kumi | 2006年4月25日 01:10

yahoo辞書で検索したところ
-----------------------------------------------
じょう‐しき〔ジヤウ‐〕【常識】
一般の社会人が共通にもつ、またもつべき普通の知識・意見や判断力。
-----------------------------------------------

10パーセントの人しか持っていない知識は常識ではありません。


ちなみに極めて普通の常識人(?)の私がやったところ80点でした。
間違えたのは、頭語と結語の間違いを探す問題で「謹啓 - 草々」が正しくないというのと、慣用句の問題でした。
慣用句は例によって「二の舞をふむ」は「二の足をふむ」が正解というようなやつでした。「だから、もうその話はいいよ」と言ってしまいそうになりました。



投稿: K.J Tyler | 2006年4月25日 08:35

kumi, the Partygirl:

>私に満点をつけるなんて、なんて非常識な採点でしょうか。

これから、「常識人」と「勘のいい人」とをきっちり見分けられるように、こちらも「勘」を鍛えようと思います。

投稿: tak | 2006年4月25日 11:15

K.J Tyler さん:

>10パーセントの人しか持っていない知識は常識ではありません。

「非常識」と言いかけて、思いとどまりました ^^;)

>慣用句は例によって「二の舞をふむ」は「二の足をふむ」が正解というようなやつでした。「だから、もうその話はいいよ」と言ってしまいそうになりました。

同感!
こんなことでしたり顔をしたいとは、思わないですね。既に、かなり広範囲に使われちゃってるし。

「二の舞をふむ」は、「二の舞 = ドジを踏む」というような思考回路で、そろそろ市民権を与えてやりたい気もします。

投稿: tak | 2006年4月25日 11:25

いやはや、夕べ、日付が変わってから寝ぼけまなこで書いたので、
"International campaign" のスペルを思いっきり間違えてました。

今しがた、コメントへのレスを付けていて、我ながらびっくり!

失礼しました。

投稿: tak | 2006年4月25日 11:41

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・マニアックな常識?(tak shonai\'s Today\'s Crack(今日の一撃)、2006/04/25) たとえ(今や)10%の人しか知らなくても、知っておいた方が良いことはある。 [続きを読む]

受信: 2006年5月29日 23:44

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