煙草の煙って、かなりしつこい性格のようだ
「新幹線内販売員の受動喫煙、勤務時間の8割」 というニュースに、「へぇ!」 と驚いた。だって今や、喫煙車両の方がずっと少ないはずなのに、どうしてそうなるんだ?
よく読むと、喫煙車両から隣の禁煙車両内に煙が流入し、浮遊煙が基準の約 3倍になることもあるらしい。へぇ、そうなんだ。
私は以前、「音も煙も、垂れ流しということに関しては同じ」ということを書いた(参照)。スモーカーは、電車の中でウォークマン(今なら iPod かな?) のヘッドフォンから漏れてくる「シャカシャカ音」を迷惑がるくせに、自分の垂れ流す煙が迷惑の元ということには無頓着すぎるという趣旨である。
私はそこで、"「シャカシャカ音」や騒音を迷惑がるならば、自分もタバコを止めなければならない" と書いた。「音も煙も、垂れ流しということに関しては同じ」だからである。しかし、煙の垂れ流しは、音より始末が悪いとわかった。
新幹線のある特定の車両に乗った全員が iPod を最大ボリュームで聞いていても、隣の車両まではその「シャカシャカ音」は(多分)聞こえてこない。しかし喫煙車両の煙(浮遊粉塵)は、確実に隣の禁煙車両まで流れ込んでしまうというのである。
以下、「週間 OCN スペシャル」 の記事より引用
東京大学大学院の研究生らが新幹線車内の浮遊粉塵濃度を調査。喫煙車が満席だと、禁煙車内の濃度も国の基準の約3倍になると指摘した(乗降時や検札、車内販売などで自動扉が開くたびに喫煙車の煙が禁煙車に流れ込むという)。
煙草の煙は、iPod の「シャカシャカ音」よりずっとしつこいようなのである。
こうなったら、JR も全面禁煙に踏み切るのが最善だと思うのだが、航空機との競合があって、そうもいかないらしい。「飛行機だと煙草は吸えませんが、新幹線なら喫煙車両がありますよ」と言いたいようなのだ。
しかし今どきは、スモーカーでさえ「新幹線の喫煙車両は煙がモウモウでたまらん」と言う人が増えてるけど。
全面禁煙が無理ならば、禁煙車両と喫煙車両の間を、行き来ができないように遮断すればいい。喫煙車専用車掌は、ヘビースモーカーになってもらう。喫煙車両では車内販売の恩恵にあずかれなくなるが、そのくらいは我慢してもらおう。
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コメント
基本的に、音はスイッチを切れば消えるけど、タバコの煙は漂い続ける、というのがあると思います。先週日曜日に、あるカフェ(気取ったところではありませんが)の禁煙フロアで朝食を摂っていたら、禁煙フロアであることに気づいていなかった一人の男性がタバコに火をつけたので、「禁煙ですよ」と声をかけたら、すぐ消して移動してくれたのですが、結局ダメなんですよね。消しても漂った煙はそのまま。
投稿: 山辺響 | 2006年5月26日 10:36
>基本的に、音はスイッチを切れば消えるけど、タバコの煙は漂い続ける、というのがあると思います。
そうですね。音は「波」でしかないけど、煙は「物質」ですからね。
それに、煙自体は消えても、こびりついた臭い(ヤニ臭さ)は、さらにしつこいですね。
満員電車でぎゅう詰めの時に、目の前に立ったオヤジがめちゃくちゃヤニ臭かったりすると、かなりつらいです。
スモーカーは、「他人を傷つけている」という意識をきちんと持ってもらいたいですね。
投稿: tak | 2006年5月26日 14:14
車内販売は「恩恵」じゃなくて「迷惑」です。そう感じているのは私だけではないと思うのですが、どうでしょう。
投稿: Reiko Kato | 2006年5月27日 15:39
>車内販売は「恩恵」じゃなくて「迷惑」です。
うぅむ、微妙なところだなあ。
私の感覚では、「なくても全然困らないもの」程度かな。
「迷惑」とまでは、明確には思わないけど、
うっとうしい感じはありますね。
投稿: tak | 2006年5月28日 00:39