アンチ収納論
「片付け・不用品・部屋片付けの心得とポイント」 というサイトが見つかった。このサイトによると、部屋片づけの際に最も多く出るのは、「本・雑誌」 「ビデオテープ」 「衣類・布団」 「手紙・請求書・明細書」 「趣味の収集品」 で、このベスト 5 で 80%になるという。
なるほど、さもありなんである。
「片づけ」というと、「収納」とほぼイコールで語られることが多いが、それに関しては、私はかなり疑問に思っている。
収納スペースにきれいに整理されてしまい込まれたものというのは、要するに、「普段は使わないもの」というのが多い。「普段は使わない」というのは「滅多に使わない」とほぼイコールで、さらに「10年に 1度も使わない」ともかなり近かったりする。
このような、要するに「ほとんど使わないもの」が貴重な収納スペースにきっちりと整理されてしまい込まれていると、人はその部屋の住人を「収納上手」と誤解しがちである。
しかしよく見渡してみると、「ほとんど使わないもの」が、「開ければすぐに取り出せる」という一等地的なスペースにきちんと整理されているおかげで、「普段よく使うもの」にしわ寄せがいってしまい、その辺に適当に放り出されていたりすることもある。
さらに、しょっちゅう使う物が、机の上にゴチャゴチャに積み重ねられたりしていると、探し出すのに結構手間取ったりする。
だから、私はいつの頃からか、「きっちりと整理して収納する」という作業を、いっそきれいさっぱりと諦めたのである。
なまじ 「きちんと整理して収納」なんてことをしてしまったら、捨てるに捨てられないのである。とっくに捨ててしかるべきものが、後生大事にきれいに整理されて収納されていると、今もっとも現役で活躍しているものの居場所がないのである。
それでなくとも、モノなんてのは、うかうかすると溜まりに溜まって収拾がつかなくなるのだから、溜まらないように、片隅にごちゃごちゃに置いとけばいい。
ただし、横に積み重ねてはダメだ。いったん横にされたモノは、金輪際立ってはくれない。いつまでも寝転がって居座るだけとなる。だから、縦にして並べておくのだ。そうすれば、端から徐々に邪魔になって、適当な頃合いにごっそりと捨てることになる。
このサイクルを円滑にするために、決して「収納」なんてことをしてはならない。とにかく、モノはいつでも捨てられる状態にしておかなければならない。いかにも「邪魔くさい」場所に、目に付くようにしておいて、いかにも捨てたくなるような雰囲気を漂わせるのだ。
てなことを言いながら、納戸や引き出しの奥に、捨て損なったガラクタが一杯溜まっているのが、痛恨なのだが。
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