歴史的使命を果たし終えた村上ファンド
村上ファンドにインサイダー取引疑惑ということで、特捜が動いているわけだが、これって、やはり「気に食わんヤツは潰せ」という政治的動きなんだろうなぁ。
極端な話、「アイツが買うなら、俺も買っとこう」でインサイダー取引になるのなら、日本中が疑惑だらけになってしまうわけだし。
村上世彰さんという人の名前を初めて知ったのは、5年前の「東京スタイル事件」の時だった。通産官僚出身の株屋が、東スタ株をえらい勢いで買い占めていて、(見ようによっては)当然の要求を突きつけているというのである。
私は 「へぇ、いいところに目を付けてるじゃん」と思ったものだ。当時の私はアパレル業界団体にいて、その背景もよく見えていたから、本気でそう思ったのである。
結果、株主総会で村上ファンドは惨敗してしまうのだが、旧態依然とした企業経営に風穴を開けるという役割は確実に果たしたと思う。
こうした事件がなかったら、旦那衆の株の持ち合いによる馴れ合い経営という日本的体質は、反省されずに続いていただろう。外資による奇襲がかけられるよりは、まだマシだったじゃないか。
しかし、これはあくまでも「副次的効果」でしかなかったようなのだ。村上ファンドの主目的は、要するに含み資産があるくせに株価が少し安過ぎやしないかという企業の株を買い占め、高くなった時点で売り抜けて、利益を出すということでしかない。
この過程で、いかにももっともらしいことをいろいろ言うのだが、それは単なる駆け引きに過ぎない。自ら企業経営に参加して、その企業の価値をより高いものにするなどという、しんどいことはハナからする気がないのである。
手の内は、もうすっかり読まれてしまっているのだ。世の中、汗をかきさえすればいいというものでもないが、それでも、汗をかく覚悟がないとやっぱり最後は弱い。
だから、今回の阪神株の売買問題にしても、完全に足元を見られている。「ウチが大株主なんだから、役員出しちゃうからね。それが嫌なら、高く買い取って」と言っても、「買ってあげないもんね。本気で役員出したきゃ、出したら?」てなもんで、脅しが通じない。
手元に置いといてもしょうがないものを「買ってあげないもんね」と言われたら、「お願い、買って。安くしとくから」と言うしかない。そもそも、鉄道のことを何も知らない村上ファンドが阪神の経営を握ったりしたら、その時点で株が下がり始めて、元も子もなくなる。
村上さん、もうそろそろ歴史的使命は果たし終えたようなのだね。
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