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2006年6月 7日

出直してくれんか、Pride!

フジテレビが、格闘技 Pride の主催団体 DSE の 「契約違反」 を理由に、放映中止を発表した。格闘技フリークの私としては、いやんなっちゃうお話である。

フジテレビ側は「不適切な事象が起きているとの疑惑」としか説明していないのだが、どうやら、暴力団がらみが大きな要素らしい。

だいぶ前から、週刊誌の見出しに 格闘技団体(とくに Pride)と暴力団の関わりといったことが踊るようになっていた。私は電車の吊り広告でそれを眺めながら、「今に始まったことじゃあるまい」と思うだけだったが、この問題、ついにはじけてしまったようだ。

Pride の会場では、アリーナのいい席にそっち方面らしい人間の姿が目立つとは、よく言われていた。最近は企業のコンプライアンス(法令遵守)が重視されているので、フジとしても頬かむりはしにくくなっていたのかもしれない。

何しろ格闘技(プロレスやいわゆる「総合格闘技」の類)は「興行」である。フツーのスポーツの試合とは違う。どうして違うのかというと、しっかりしたコミッションがないからだ。好き放題やっちまえの世界なのだ。

選手の契約にしても不透明な部分があって、「引き抜き」問題が多発する。その度に、その世界の人の出番になりがちだ。

しっかりしたコミッショナー(プロ野球のそれが「しっかりした」ものかは、異論があるが)があっても 、ややもすればそっちの世界の人が入り込むのである。コミッショナーがなかったら、よほどきちんとしたポリシーで固めなければ、入り込み放題だろう。

ただ、暴力団がらみのコンプライアンスだけかといえば、そうでもないという見方もある。Boutreview というサイトに、興味深い記事がある。DSE は、中量級コンテンツの「Pride 武士道」を、フジテレビ以外の局でゴールデンタイム中継してもらうことを画策していたようだ。

これで、フジ側が「鳶に油揚げではないか」と、ぶち切れたということも考えられるのである。この辺りは、この世界にありがちな「自分の思い込みだけで妙な動きをする 」という伝統(?)の弊害である。

普段からきちんと話を通せば、単なるビジネス上の話になるのに、こそこそ動くから感情的な喧嘩になるのだ。あるいはこのあたりの齟齬をきっかけにして、くすぶっていたコンプライアンス問題がはじけてしまったのかもしれない。

格闘技そのものの視点からすれば、ことヘビー級に関しては、K-1 よりも Pride の方が圧倒的にレベルが上だ。K-1 ヘビー級は、近頃しらけっぱなしである。先日も、「K-1 ワールド GP ソウル大会」 で、チェ・ホンマンがみえみえのホームタウン・デシジョンでセーム・シュルトに勝っちゃったりするし。

それだけに、格闘技フリークとしては、Pride が身ぎれいな状態になって出直してくれるのを望むばかりである。

それから、総合格闘技のテレビ中継は、妙な「煽り」で時間を潰していないで、試合そのものをきちんと放映してくれないかなあ。今のままだと、ビデオにとって CM と「煽り」をスルーしたら、半分以下の時間で見終えてしまう。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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