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2006年7月10日

今年は七夕が 2度ある

七夕を新暦の 7月 7日で祝うのは、如何ともしがたい違和感である。第一、梅雨も明けないうちの七夕では、織姫・彦星に気の毒だ。

東北では、たいてい月遅れで七夕を祝うのでずっとましだが、本当のところをいえば、旧暦で祝うのが正しい。そして、今年は、旧暦の七夕が 2度あるというのがおもしろい。

本来、七夕は歳時記でも秋の季語である。旧暦の 7月は、「秋」なのである。

暑い盛りを過ぎて、日の沈むのが早くなり、夜がだんだんと長くなる。黄昏時を過ぎると、少しは涼しい風が吹き始めて、見上げると、水蒸気に霞んだ夏の夜空とは異なり、星々が清かに輝いている。本来の七夕は、そんな季節感の行事である。

そして旧暦の 7日というのは、どの月でも上弦の月となるのだが、夏が過ぎたばかりのすっきりとした上弦の月は、舟の形をして、天の川を横切り、あたかも、ベガとアルタイルの間を結ぶように見える。これが、七夕のインスピレーションの根幹である。

だから、本来の七夕は、旧暦の 7月 7日でなければならない。そして、旧暦の 7月 7日というのは、たいてい新暦 8月の中旬以後で、日暮れ以後の情緒の深まる時期なのである。

そして、今年の旧暦七夕の話に戻ろう。今年は七夕が本当に 2度あるのである。

というのは、今年は閏月(うるうづき)というのがあり、7月が 2度あるのだ。7月と閏7月である。だから、7月 7日も 2度ある。

最初の旧暦 7月 7日は、新暦でいうと、7月 31日で、閏7月 7日は、新暦の 8月 30日だ。

旧暦は、新暦とだいたい 1か月半ぐらいの差があるとちょうどいい頃合いなのだが、今年の最初の七夕のように、新暦と 24日しか差がないと、いくらなんでも季節感が狂う。それで、閏月をはさんで、アジャストするのである。

新暦 8月 30日の七夕となると、ちょっと遅すぎの感じもあるが、中を取って 8月中旬頃とすると、ちょうどいい。そして、来年からはまたちょうどいい感じの頃合いになる。

というわけで、今年の織姫・彦星は 2度逢瀬を楽しむという特例の恩恵に浴する。よかったね。もっとも、新暦と月遅れを合わせたら、4度ということになるが。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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コメント

閏月を入れてアジャストしなければならないほど狂ってしまう暦に、正確な季節感を求めることは出来ないと思いますけどね。

投稿: ARA | 2009年5月21日 16:55

ARA さん:

>閏月を入れてアジャストしなければならないほど狂ってしまう暦に、正確な季節感を求めることは出来ないと思いますけどね。

閏月がまた、曰く言い難い季節感を出すんですよ。

https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2009/05/post-c826.html

ところで、「正確な季節感」って、何ですか?

投稿: tak | 2009年5月21日 21:33

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