「馬鹿親」と「フツーの親」の境界線
近頃、「馬鹿親」というのが増えていて、大きな問題と化しているのだそうだ。エゴイストで、教師、校長、教育委員会に無理難題をふっかける親たちということのようである。
さて、「原因は生徒指導」として市を訴えた、タバコを学校に持ち込んだことを注意されて自殺した中 2の子の親は、どうなんだろう?
馬鹿親って、どんな親なんだろうかと、ネットで検索してみたら、おおむね、こんなことを言い出す親なんだそうだ。(参照)
「義務教育だから給食費は払わない!!」
「うちの子は箱入り娘で育てたい。誰ともケンカさせないという念書を提出しろ」
「保護者会に参加するために会社を休んだから休業補償を支払え」
「うちの子がけがをして学校を休む間、けがをさせた子も休ませろ」
なるほどね。これでは学校も大変だろうなあ。
翻って、長崎で市を訴えた 自殺した中 2生の親というのは、どうなんだろう。このケースのことの次第を、以下に引用する。
自殺したのは安達雄大君(当時14)。04年3月10日、校内でたばこを持っているのを担任の男性教諭に見つかり、生徒指導中に「トイレに行きたい」と教室を出て、校舎4階から飛び降りた。
市教委の調査で、雄大君は狭い掃除用具入れの中で担任に注意された後、真っ暗な多目的教室に連れて行かれたことが分かった。多目的教室に「オレにかかわるいろんな人 いままでありがとう」という遺書が残されていたが、密室で何があったかは不明だ。
両親は第三者機関による調査を求めたが、市教委は担任からの聞き取りなどをしただけで「指導と自殺の因果関係はない」と結論づけている。
これについて、両親は「原因は生徒指導では」と同市教委に訴えてきたが、納得のいく回答が得られていないとして、市の管理責任を問い、9000万円余りの損害賠償を求める民事訴訟を起こすというのである。
普通に考えれば、「指導と自殺の因果関係はない」 という教育委員会の結論が妥当なんだろう。「狭い掃除用具入れ」とか「真っ暗な多目的教室」とかいうのが、何となく異様で、引っかからないではないが。
長崎県内ではその後、中高生の自殺が多発。「教育が変わらなければ同じことが繰り返される」と、両親は訴訟を決意したと、次のように報道されている。
母親の和美さん(44)は「自殺の原因は、思春期の子どもを追いつめるような指導ではないか。裁判は長期化も予想されるが、雄大が残した死の意味を生涯をかけて訴えなければ」 と話している。
これを 「馬鹿親」扱いにするというのは、ちょっと気が引ける。ただ、個人的には、学校教育と家庭教育の両方に問題があったとしか考えられないのだが。
追いつめられた子にとって、家庭が有効な避難港として機能していなかったということだけは言えると思うのだ。
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