「かりゆしウェア」 がうらやましい
「クールビズ」なんてことが言われ始める 20年も前から、ずっと自主的にクールビズなので、何を今さらという気もするが、沖縄で「かりゆしウェア」を 1着、衝動買いした。
これはアロハシャツの沖縄バージョンみたいなもので、沖縄ではこれさえ着ていれば、どんな公式の場でも、文句は言われない。
クールビズがスタートしたばかりの頃、確か小泉首相も着ていたような気がするが、今ではあまりセンスの良くない長袖ワイシャツにノーネクタイというスタイルに落ち着いてしまったようだ。
沖縄では、本当に誰でもかりゆしウェアを着ている。官公庁だろうが、会社だろうが、サービス業だろうが、立派なビジネスウェアとして完全に認知されている。ホテルのフロントのお兄さんも、かりゆしだった。
内地では、ホテルのフロントがノーネクタイというのは、あまり考えられないが、沖縄では、そんなことでどうこういうような無粋な人間は、皆無である。
確かに、沖縄の夏にネクタイをしてジャケットを着ていたら、死んでしまう。からっとしていて、日陰に入れば、蒸し暑くてたまらないということはないのだが、日の当たる外を歩いたら、それはもう大変で、汗が吹き出すだけでは済まない。頭がくらくらする。
沖縄でも、かりゆしウェアの普及にはかなりの時間を要したようだが、平成 11年から県議会議場内での着用が容認されたことが決定的な契機となったようで、今ではすっかり定着している。
沖縄のかりゆしウェアは、けっこう派手な色柄のものが多くて、まあ、確かに沖縄の風土だからこそ、あれが似合うのかもしれず、内地で着たらちょっと浮き上がってしまうだろう。しかし、ちょっと地味目の色柄なら、十分通用すると思う。
私の衝動買いしたのも、写真のように藍染めっぽい色で、地味な小柄である。これなら、東京でも全然違和感がないだろう。
しかし、実はこれは 「フェイクかりゆし」 なのであった。本物の 「かりゆしウェア」 は沖縄県工業連合会の登録商標で、このブランドを使用するには、以下の条件に適合しなければならない。
・ 沖縄県内で縫製されたもの (布地は県外で生産されたものでも良い)
・ 沖縄観光をピーアールする柄のもの
私の買ったのは、"Made in India" で、柄がかろうじて沖縄絣調であるというにすぎない。要するに「かりゆしもどき」である。道理で安いと思った。
だが、内地で着るには、このくらいの 「もどき」 の方がいいかもしれない。どうしても本物にこだわりたい場合は、ミンサー柄がシックでいいだろう。ミンサーというのは、帯などに使われる細幅の織物である。これがなかなかいい。
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コメント
私もかりゆしウェアは10枚くらい持っています(「もどき」の方が多いかも)。夏のプライベートは、Tシャツか、この手のシャツですね。
驚くべきことに、沖縄では葬儀もかりゆしウェアでいいそうです。つまり、黒一色の「喪服かりゆしウェア」があると。
http://daikutetsuhiro.txt-nifty.com/blog/2006/06/post_52ea.html
投稿: やまべ | 2006年8月18日 09:48
やまべ さん:
かりゆしの快適さを知ったら、後戻りはできないでしょうね。「喪服かりゆしウェア」 は、話には聞きましたが、もうすっかり定着してるんですね。
沖縄の人たちの、その辺り、単純にぱっと行っちゃう感性が、好ましく思えます。
夏場の冠婚葬祭に黒のスーツで出席するのは、難行苦行ですから、うらやましいですね。
本土の人間は、単純なことを無理に複雑にしているんじゃないかと思ったりします。
投稿: tak | 2006年8月18日 10:37