70年代のおとしまえ的「サウンドデモ」
ululun さんのブログのエントリーで、「家賃をタダにしろ 中野→高円寺一揆」 というサウンドデモが、明日 (9月 16日) に行われることを知った。主催は 「高円寺ニート組合」 という、私のプロフィル写真よりもなお怪しい団体。
これについて少しばかり調べていくうちに生じた ちょっとした共感が、我ながらいとおしい。
「家賃をタダにしろ」という、ほぼ無意味なキャッチのもとに、中野サンプラザの裏の公園から高円寺まで、生バンドも含む大音響をとどろかせながら、踊り、練り歩き、「蕩尽としてのサウンドデモ」 を繰り広げるのだそうだ。
「手段としてのデモ」ならば、そこには「論理」とかがあるから、警察当局としても主催者とのネゴのしようもあるだろうが、なにしろ「蕩尽としてのデモ」なので、どう取り締まればいいかわからず、あきれつつもとまどっている様子がうかがわれる。
近頃とみにいっぱしぶっている「私の中の大人」は、「アホらしい話」として 「冗談ポイよ」と片づけてしまいたいのだが、私の中にはまだ「子ども」がかなり残っているらしく、一方で、「おもしろそうじゃん」という気がしてしまう。いい年をして、困ったものである。
ululun さんは、「自分には、サウンドデモ、特に今度の日曜に高円寺で行われるサウンドデモの趣旨が理解出来ない」と述べておられる。「理解できない」というのは、大人の態度である。あらまほしき態度である。
ただ、こういうのは「理解する」ことが求められているわけではない。並の仕方で「理解」しようとすればするほど、ナンセンスなことになる。あるのはただ、「おもしろそうじゃん」と思うか、思わないか、それだけである。
私が「おもしろそうじゃん」と、つい不覚にも思ってしまうのは、1960年代末から 70年代初頭までの、あの雰囲気を経験してしまっていて、それにまだ「おとしまえ」をつけ切っていないからのような気もする。蕩尽し切っていないんだろうなあ、まだ。
You Tube にアップされているプロモーション動画も、どうやら、あの当時の雰囲気がめちゃくちゃ濃厚なのである。以下にリンクしておこう。
家賃をタダにしろ!中野→高円寺一揆!予告編
新宿昭和館的雑踏バージョン家賃をタダにしろ!中野→高円寺一揆!ガールズトーク編
同上、ファンタジックバージョン家賃廃止要求デモ!
西口フォークゲリラ、釜ケ崎暴動想起バージョンWE ARE THE THREE (ONLY!)
70年代後半的意味ありげなドッチラケ・バージョン9月16日家賃廃止要求デモのよびかけ #2
ノンポリバージョン9月16日家賃ただにしろ!デモのよびかけ#4
暗黒舞踏?バージョン
なんだか、タイムマシンで時代を遡ったような気がしてしまう。行ってみたい気もするけど、予定が入ってるから無理だな。ちょっと残念。
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