「ブラレンジャー」 という戦略
トリンプ・インターナショナルが、買い物袋としても利用できる特製ブラジャー、トリンプ 「NO ! レジ袋ブラ」を制作、07年春夏新製品展示会で公開している。
レッド、ブルー、グリーン、ピンク、イエローと 5色のバリエーションがあり、愛称は「ブラレンジャー」というんだそうだ。
Gigazine に詳しく写真入りで紹介されている(参照)。カップの部分にパッドの代わりにバッグがたたんで収納されており、それを引っ張り出して伸ばすと、レジ袋替わりになるというアイデアで、特許を出願するそうだ。
しかし、せっかく特許を出願しても、これ、非売品のようなのだ。そのあたりが思い切りの悪さを感じてしまう。本気でエコを考えて特許まで取ってしまおうというなら、行きがかり上ちゃんと商品化しなきゃ意味がないじゃないか。
話の種に、あるいはパーティのおみやげとして、売れちゃうかも知れないのに。
トリンプはこれまでにも、「何、それ?」みたいな企画を発表している。「リサイクル PET ブラ」「エコ 地球儀ブラ」「ウォームビズ・ブラ」などで、そのたびにちゃんといろんな新聞に載って、パブリシティ効果抜群の成果を得ている。今回も、その一環なのだろう。
トリンプという企業が、本気でエコに取り組んでいるのかどうか、私は知らない。もし本気なのだとしたら、ISO 14001 ぐらいは取得していてもよさそうなものだが、この会社のサイトを見る限り、どうもそんな様子はない。となると、エコをパブリシティに利用していると思われても仕方ないかもしれない。
この戦略は、パリコレなどの季節になると決まってファッション紙でもないフツーのオッサンの読む新聞に写真入りで紹介されるための「やたら裸に近い」ファッション作品がちょこちょこ出てくるのに似ている。
「こんなの、誰が着るの?」と言う人がいるが、言うまでもなくショーのモデル以外、誰も着ないのである。誰も着なくても、写真入りで紹介されるだけパブリシティの役に立つのである。
ただ、最近は 「パリコレでの一幕」 みたいな感じで、誰がデザインしたかさえ字にならないことが圧倒的に多いので、パブリシティ効果は薄れていると思うのだが、トリンプのケースに関しては、まだまだ効果はあると見ていい。
ただ、「変な会社!」 としか思われないリスクもあるが。
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