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2006年11月 7日

MS の 「余計な押しつけ主義」 の弊害

Windows Vista の発売日は、1月 30日と決定したそうだ。ということは、来年の 2月以後しばらくは、PC の購入を控えた方がいいと、過去の経験が教えてくれている。

新しく発売されたばかりの OS を搭載した PC は、ほとんどパフォーマンスが悪い。その時点のハードに対して、OS が重すぎるのだ。

新 OS が出たての時期のハードは、その前の OS に対してはかなり高性能でも、新規 OS に対しては力不足である場合が多い。私はこれまで、自宅、オフィスで PC の更新をした経験が何度もあるが、出たての OS を搭載したハードは、ことごとく使いづらかった。

起動が遅い、インターフェイスの使い勝手が悪い、次々とパッチを当てることを要求される等々。新 OS がこなれるまでには、個人的印象にすぎないが、1年はかかると思っている。

ということは、PC が壊れて使い物にならなくなったというようなケースを除いては、あわてて買い換えなんかしてはならないということだ。

それから、MS は Vista へのアップグレード優待サービスを開始しているが、これも経験からすると、危ない。OS のアップグレードをすると、たいていどこかに不具合が生じるのだ。

以前勤務していた団体の購入した PC は、Windows 3.1 から 95 へのアップグレード優待サービス付きだったが、アップグレードした途端におかしくなり、ディスプレイが壊れて 2度も交換した。のみならず、本体の力不足で、とてつもなく起動が遅くなったのは言うまでもない。

また一昨年のこと、我が家の家族用の PC は、XP の SP2 をインストールしただけでガタガタになって、すぐにインストール前の状態に戻した(参照)。SP2 ごときでおかしくなるのだから、新規 OS にアップグレードするということは、かなりリスキーだということだ。

消費者が経験を積んで、この程度の身を守る知恵を身につけてしまった以上、新規 OS の展開開始が、必ずしも売り上げ増加にストレートに結びついたりはしないのだということを、MS はきちんと認識しておいた方がいい。

「技術に詳しいユーザー」に限った話だが、「29.8%の WindowsXP ユーザーが Vista ではなく Linux への移行を考えている」との調査結果もある。この調査によると、すなおに Vista へのアップグレードを考えているのは 21.1%のみで、38.6%は XP を使い続け、そして、29.8%は、Linux に移行すると答えたというのである。

MS の「余計な押しつけ主義」は、確実にユーザー離れを加速させるだろう。ユーザーは、MS の社員にメシを食わせるために PC を使っているわけではないのだ。

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