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2006年11月10日

ヒラリーは、ただスマートなだけかも

アメリカの中間選挙関連のニュース、やたらとヒラリー・クリントンがフィーチャーされていて、次期大統領候補は決定みたいな雰囲気だ。

日本から見た限りでは、今回の選挙、ある意味で、イラク戦争問題を正攻法で問うというより、ジョージ・ブッシュ対ヒラリーのイメージ選挙みたいなところがあったような気がする。

現在の情勢の中で、どっちが大衆にアピールするかは、言うまでもない。

どのように振る舞い、何を言えばスマートに見えるかを熟知しているヒラリー・クリントンと、どのように振る舞い、何を言えば馬鹿に見えるかを知らないジョージ・ブッシュとでは、勝負は目に見えていた。

ヒラリーが本当の意味で賢い人間かどうかというのは、私はかなり疑問を抱いているが、何をやらせてもそつなくこなす常識と「勘の良さ」に関しては、ちょっとしたものだと思う。ツッコミどころを作らないところは、ブッシュとは全然違う。

ただ、彼女のインタビューなんかを聞いていると、何を聞いたらどう答えるかというのが、大体想像通りだったりして、意外性というのはほとんどない。アメリカのベビー・ブーマーズの最大公約数的な「スマートさ」というのを、意識して身につけているだけという気がしないでもない。

つっこみどころがなさ過ぎて、カリカチュアしにくいので、私みたいなへそ曲がりにしてみれば、マニュアル通りのつまらない政治家ということになってしまう。

「スマートさ」が大好きな人間には支持されるだろうが、「ユニークさ」まで要求する人間には、物足りないかもしれない。そのあたり、2年後の本番まで底が割れずにもつかどうかというのが、最大の問題だ。

私はビル・クリントンが大統領に選出される前、彼を「アメリカの口先男」と呼んでいた。同じように、今のうちに言っておこう。「ヒラリーは、ただスマートなだけ」と。

しかしながら、大統領に人間としてのユニークさなんて要らないということならば、ヒラリーはとても有力な候補である。あれだけスマートな人間というのも、貴重だろうから。

ただ、大統領選挙ということになると、アメリカ人、とくに南部のオッサン達というのは、スマートすぎる人間が嫌いだから、どうなるかわからない。いかに「あたりさわりのない隙」を作っておくかということも必要になる。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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