千葉県のロゴの教訓
千葉県民じゃないんで、よそ事といえばよそ事なのだが、千葉県のロゴマークにブーイング続出(参照)という記事は、結構いろいろな教訓を含んでいると思うのである。
このロゴ、職人的技術論としては、ものすごく完成度が高いことは確かなのだが、県のやり方が、やっぱり「あか抜けない」のだ。
大体において、ロゴマークなんていうのは、単体で発表してしまったら「いったいどこがいいのか」と思われるものなのである。そんなものに高い金をかけて、どういうつもりなのかと言われるのが、関の山なのだ。
廻りを見回してみるがいい。今をときめくマイクロソフトにしても、今をときめかないソニーにしても、今回のロゴを制作した中條正義氏が在籍していたという資生堂(なんとなく、似てる感じはあるかな)にしても、単体でみれば、どこにそんなに金がかかっているのかと思うほどのものなのである。
しかし技術論としてみると、ロゴマークというのは微妙なバランスが勝負で、字の大きさや字間、傾きなど、ものすごい職人芸があって初めて「しっくりとくる」ものになる。だから、今回の「ちば」のロゴにしても、一見すると何の変哲もないようなものだが、結構な手間暇がかかっている。
ただ、その「手間暇」の成果を、A4 だか B4 だかの紙ぺらに印刷して壁に貼り付け、堂本暁子知事が「千葉の持っているパワーをロゴに凝縮した」なんていう、ちょっとどうかなと思うコメントを付けて発表するという手法が、やっぱり「千葉」なんだなあ。
それに、千葉県の公式サイトに行ってみても、今月 2日に発表されたはずのこのロゴが、10日以上たった 13日午前 1時の時点になっても、まったく使われていないばかりでなく、それについて言及したページも全然ないというのも、やっぱり「千葉」なのである。
相変わらず、もっどダサイロゴが使われているばかりである。(せっかく金かけて作ったのなら、さっさと、ちゃんと使えよ!)
(平成 17年 5月 30日 追記)
たまたま、千葉県のサイトをみる必要があって、ようやく例のロゴマークが使われているのを確認した。記憶は定かじゃないが、今年の 3月ごろはまだ使われていなかったように思う。あるいは、年度代わりでようやく更新したものか。
単体としてのロゴを決めただけでは、実は何の役にも立たないのである。そのロゴを、県のパブリシティの中にどのように活用し、どのようなデザイン戦略を推進していくかというガイドラインまで作って、はじめて 「あか抜けない千葉」 のイメージからの脱却をはかれる (かもしれない) のだが、お役所にそこまで要求するのは、ちょっと無理かな。
あ、それから、今回のロゴデザイン、職人技としての完成度は確かに高いかもしれないが、センスとしては、ちょっと古いかも。
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コメント
わはは 千葉県民ですぅ。
うーむ…。完成度高いんですか? なんだか子供が一生懸命書いたような字で笑っちゃいました。
千葉市の「ちはなちゃん」はかわいくて、いかにも愛されるロゴマークって感じで好きなんですけどね。
http://www.city.chiba.jp/toshi/koenryokuchi/ryokusei/midoritomizube/character/
>それについて触れたページも全然ない
…ダサいというか情けないというか。悲しいものを感じちゃったりします。
投稿: sato | 2006年11月13日 04:40
sato さん:
>うーむ…。完成度高いんですか?
職人技としてはね (^o^)
>なんだか子供が一生懸命書いたような字で笑っちゃいました。
子どもが一生懸命書いても、あんなふうにはならないんですよ。
ただ、なんであの字体でなければならないのかという必然性みたいなのは、全然感じられませんね。
いつもの得意技で作っちゃったという感じかな。
とはいえ、もしかして、同じ字体で 「こむさ」 とかやってしまえば、それらしかったりして。
やっぱり、千葉のやり方の問題でしょう。
まあ、関東の東京都と神奈川県以外は、「グンタマチバラキ」 と一括して、ダサイということにされているようで、かわいそうに、栃木県なんか、「グンタマチバラキ」 にも入れてもらえてないし。
投稿: tak | 2006年11月13日 14:18