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2006年12月25日

歩行における「でんでん太鼓理論」

先月 28日に「大手を振って歩く女たちへ」というエントリーを書き、少なからぬ女性は歩くときに、斜め後方に不必要なほど大きく腕を振るので、雑踏で後ろを歩く男の股間を直撃することがあり、困ったものだと指摘した。

すると、江都屋黄金丸さんから非常に興味深い指摘のコメントがあったのである。

要約すると、男は体の重心を前へ前へと直線的に移動させて歩くタイプが多いので、腕の振りも自然に前後に平行になるが、女の場合は、骨盤を左右に回転させて駆動力を得るタイプが多い。

俗な言い方をすると、お尻をぷりぷり動かして歩く人が多いということだ。そのため腰の回転に伴い、腕もその反動で回転する。これが「でんでん太鼓」のような動きになるというのである。

私はこれは見事な観察だと、恐れ入ってしまったのである。それで、勝手ながら「でんでん太鼓理論」と命名させていただくことにした。

試しに、男の私でも骨盤の回転による駆動力で歩くと、確かに、腕がでんでん太鼓のように自然にぶるんぶるんと振られる。ただ、体の後ろ側に行った腕は、肩と肘関節の動きの許容範囲があるために、外側に振られたまま内側に回り込むことがないのだ。

それに、女性は片方の腕を曲げて肘のあたりにバッグをぶら下げていることが多いので、肘が後ろを向きがちだ。それで、バッグをぶら下げていない方の腕の肘も自然に左右対照的に後ろを向いているので、肘から下がますます外側に振られてしまうようなのだ。

肘が後ろでなく、外側(左腕なら左側)を向いていれば、肘から下はあれほど極端に外側に振られることがないということを、私は自分の体を使ったシミュレーションで確認した。

それから、どうして女性がことさらに骨盤の回転で駆動力を得ようとしているのかということも見えてきた。どうやら朝の駅の雑踏などで、時間に遅れないように急いでいる様子の人が、「骨盤歩き」をしている場合が多いようなのだ。

周囲の男たちに比べて小柄であるというハンディキャップを補うために、骨盤回転駆動力まで動員して、流れに遅れないようにしている様子が見て取れる。女は女で、なかなか大変なようなのである。

と、このあたりまでは理解したつもりになったのだが、その上で、やっぱり女性たちには、無闇に男の股間を直撃しないように、気を使ってもらいたいと思うのである。

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コメント

こんばんは。あのコメントから記事にまで取り上げて頂いて、なんだか恐縮です。
「でんでん太鼓」の動きはもちろん、男性にも見られます(傘を水平に握って歩くような男はこのタイプが多そう)が、比率的には女性が多いですね。

以前見たあるテレビ番組で、「朝の出勤時に駅まで歩いていく間にスカートが一周してしまう」女性が出ていました。骨盤歩きで、しかも左右どちらかの動きが大きいため、スカートが回ってしまうのです。それを解決するためにその番組では、彼女に阿波踊りのようなステップで駅まで歩かせるという方法を取ったのですが、スカートは見事に回らずに済んでいました。ああいった日本古来の体の使い方は、腰の回転に頼らないものなのでそういう結果が得られたのだと思われます(まあさすがに毎朝踊って出勤するわけにもいかんでしょうが)。

投稿: 江都屋黄金丸 | 2006年12月26日 21:40

江都屋黄金丸 さん:

>「朝の出勤時に駅まで歩いていく間にスカートが一周してしまう」女性が出ていました。

すごいですね。よほどの勢いで骨盤振り回しているんでしょうか。
しかも、そんなに偏りがあると、最寄りの駅に行こうとしているのに、どうしても隣の駅に着いてしまうとか……
(そんなわけはないか ^^;)

阿波踊りのようなステップとは、「なんば」の動きなんでしょうね。
体全体を交互に半身で移動させていくことになるので、確かに骨盤の回転は必要なくなりますね。

投稿: tak | 2006年12月27日 00:04

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