はにかんで行こう
ブログのネタがない時に、手っ取り早くそれらしい記事をでっちあげたかったら、誰かのちょっと脇の甘い記事を取り上げ、「俺は、そうは思わん!」 と声高に主張することだ。
それが意味のある場合もあるが、単に記事を 1本書くためだけの反論だったりしたら、読まされる側は疲れるだけである。
学生時代、フランスから来た留学生(パリジャンとパリジェンヌ)と話していて「あぁ、疲れる!」という印象を持ったのは、彼らが単に "I don't think so." と言うためだけの反論をしたがる傾向があったからだ。
こちらとしては、「そんなことは、別に深い意味があるわけじゃないから、どっちだっていいよ」と思っていることでも、単に「私はあなたと考え方が違う」ということを強調するためだけに、反論のための反論をする。
さらにこちらがこう言えば、お前がああ言うなんてことは、わかってるから、別にそんなに息せき切って反論しなくてもいいからねと思っていることでも、こちらが予想した通りの反論をしてきたりする。(案外単純なのだね)
ブログの世界でも、案外これに似たことが多いように見受けられるのだ。
一つの問題に対して、賛成、反対の立場からまともに議論し合うなら、まだ疲れない。問題は、「今のところは、肯定論も否定論も論拠が乏しいから、(あるいは、どちらにもそれなりの根拠はあるから)とりあえずは、ニュートラルな立場をキープするのが論理的態度だろう」といった主張に対して、いやそうではない、ああだこうだと、クレームをつける反論である。
(私の "「的を得る」 は、間違いじゃない" への反論なんか、その典型例だと、私としては思っている)
この類の議論は、単に「好きずき」の問題でゴチャゴチャ言うだけに堕する場合がほとんどで、あっさり済めばまだいいのだが、長引いたりすると、要するに、馬鹿馬鹿しくて付き合い切れんのである。
それなのに、当人は自分の「好きずき」- 煎じ詰めれば、伝統的常識論か、革新的(に一見すると見える)主張のどちらかである場合がほどんどなのだが - が相当に重要な問題であるらしく、かなりしつこくつきまといたがる傾向がある。
私はこうしたケースを目にするにつけて、心の中にある歌の歌詞が湧いてくるのである。
それは、私にしては珍しく、平成の御代になってからの流行り歌で、Puffy の「渚にまつわるエトセトラ の、次の部分だ。
カニ食べ行こう
はにかんで行こう
単にベタな韻を踏んでいるだけではなくて、カニ食べ行くにしても、あまりはしゃぐことなく、はにかみを忘れたくないものではないかと、私なんか、解釈している次第である。同様に、他人に反論するときも、最低限のはにかみは忘れないでいたい。
あんまりベタな反論ばかりだと、自分の人間性を見切られる。(これは自戒でもある)
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コメント
こんにちは。いつも楽しくみてます。
私はテキストベース、特にブログなんかだとそもそも論争にすらなってないような気がします。
会話だとそれは揚げ足とりだというのがすぐに伝わるので相手が最後まで言いきることは少ないですが、コメントだとテーマずれを起こしたまま相手が暴論を展開します。
それに対して「それはテーマずれだよ」と返しても、本人はまさかテーマずれだとは思ってないからコメントへの反論ととられてしまってさらに暴論がエスカレートする感じです。
だからやりとり自体が無意味な気がします。
特に「>」で一文だけ引用してくる場合なんかは文脈を無視してますからね。
うまく説明できたかはわかりませんが、こういう「変な人がいてまいったなー系」の記事が一番好きです。
投稿: カンダタ | 2007年1月28日 14:21
カンダタ さん:
>特に「>」で一文だけ引用してくる場合なんかは文脈を無視してますからね。
これは、本当に危険ですね。
さらに、危険を承知で、というより、確信犯的に文脈無視をする向きもありますから、困ります。
投稿: tak | 2007年1月28日 18:49
来月カニ食べに福島まで行きます…^^v
投稿: アンジェロ | 2007年1月29日 00:03
アンジェロ さん:
ぬぬ。
越前ガニとかタラバガニとか言われてますが、
福島のカニもなかなかうまいらしいですね。
他にもいろいろ旨いものを楽しんでくださいね。
暖冬すぎて、雪は見られないだろうけど。
投稿: tak | 2007年1月29日 09:36