バイリンガルと認知症
バイリンガルは、1か国語しか話さない人より、認知症の発症が約 4年遅いという分析結果が発表されたという (参照)。
カナダのヨーク大学の研究成果だから、ここでいう 「バイリンガル」 のほとんどは、多分英語とフランス語の組み合わせだろう。じゃあ、他の言語の場合はどうなんだろう?
思うに、これは標準語と方言の両方を自由自在に話すことのできる人にとって、朗報である。だって、ヨーロッパでは、ラテン語系なんてのは、日本で言えばちょっとした方言程度の違いだし、英語とフランス語だって、標準語と庄内弁の違いぐらいのものじゃないかという気がする。
ブラジルではポルトガル語が話されるが、友人の日系ブラジル人たちがいうには、スペイン語は聞けば苦もなくほとんどわかり、イタリア語は想像力を駆使すれば大体わかり、フランス語も話の内容ぐらいはわかるそうだ。
しかし、フランス人、イタリア人、スペイン人は、ポルトガル語を理解するのは難しいらしい。つまり、ポルトガル語は、ラテン語圏の中では一番田舎の言葉なんだろう。地理的にも一番外れだし。
これは、山形県庄内地方の人間が、東京の言葉は当然わかるが、東京人が庄内弁を聞いても、さっぱりわからないというようなものじゃないかと思うのだ。
で、かわいそうなのは東京生まれの人間である。いわゆる標準語しか話せないのだ。我々東北の田舎で生まれた人間は、自分の土地の言葉と標準語の両方が話せる。そしてそれは、ヨーロッパ的な感覚で言えば、バイリンガルと言ってもいいのだ。
多分、我々は東京生まれの人間より 4年遅れてボケ始めることになるだろう。
それからおもしろいのは、高学歴の人間は、ボケ始めるのは遅いが、いったんボケ始めると、ボケの進行が早いという点だ。学問がありすぎると、自分のボケ自体に学んでしまって、ますますボケてしまったりするんじゃなかろうか。「ボケの加速度」である。
ボケ始めたら、「学びの姿勢」は捨ててしまった方がよさそうだ。
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コメント
はじめまして。庄内さんの一撃をいつも楽しみにしています。知らなかった情報をこちらで学ぶことも多く、読みながら、つい吹き出してしまうこともしばしばです。
(先日は、開設したばかりの稚拙なブログに、相互リンクをしていただき、ありがとうございました。)
イタリア語・スペイン語・ポルトガル語が標準語と方言ぐらいの位置関係、というのは、まったくその通りだと思います。日本語とイタリア語の圧倒的な違いに比較すると、ラテン系2ヶ国語のバイリンガルなど、(少し乱暴ですが)チャンチャラおかしい、とまで思ってしまいます。
投稿: chicconeri | 2007年1月20日 19:59
chicconeri さん:
>日本語とイタリア語の圧倒的な違いに比較すると、ラテン系2ヶ国語のバイリンガルなど、(少し乱暴ですが)チャンチャラおかしい、とまで思ってしまいます。
それだけじゃなくて、津軽弁と鹿児島弁の違いなんて、英語とフランス語の違いより大きいと思います。
ましてや、ウチナーグチまで入れたら、すごいですよね。
投稿: tak | 2007年1月21日 01:14
数値化された言語の距離で行くと英語とドイツ語がうちなーぐちとやまとの程度の距離のようです。10年以上前に読んだ本にあった記述ですので、現時点での知見はまた違ってイルカも知れませんが。
投稿: mobanama | 2007年1月21日 10:23
mobanama さん:
>英語とドイツ語がうちなーぐちとやまとの程度の距離
どうやって数値化したかは別として、実感的にはものすごく納得です。
投稿: tak | 2007年1月21日 11:36