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2007年1月 6日

パリっ子の高ビー観光キャンペーン

英国人はよほどパリジャンが嫌いらしい。ウィットの効いたパリ観光促進ウェブサイトが、ロイター通信の手にかかると "「失礼な」 パリっ子理解の手引き" になってしまう。(参照

私もパリジャンはあまり好きじゃないけど、このニュース、かなりブラックで辛辣な紹介の仕方をしていると言っていいだろう。

紹介されているのは、"C'est so paris ! How to cop the parisian attitude" というウェブサイト。 日本語で言ったら 「これって、とってもパリ! パリッ子の態度がわかるには」 とでもいうことになるかな。

ちゃんと見ればわかることだが、このサイトの制作側の意図は、「失礼なパリジャン」(原文では "rude Parisian")を理解してもらうことでは決してない。あくまでも英国からパリへの観光促進である。

そして、問題のページは "Attitude Game" という写真付きのもので、「フランス語がわからなくても、パリっ子特有のジェスチャーを身につければ、パリの街に溶け込めます」というのが、本来の趣旨だ。

このページの写真で紹介された 8つの「パリっ子の代表的なジェスチャー」を上手にまねた写真を送ると、カップルで週末のパリ旅行にご招待という懸賞付きなのがミソである。

ちなみに、ここで紹介されている 8つのジェスチャーのうち、"Camenbert! = Shut up! = 黙れ!" など 4つは 「レッドカード」で、「攻撃的に思われることもあるから注意」ということになっている。それを称して「失礼な」ということになるのかもしれない。

ただ、失礼なジェスチャーの意味がきちんとわかったらわかったで、かえってもめ事の種になりそうだし、それ以前にレッドカードのジェスチャーは、一目瞭然でヤバヤバだ。

それを別にしても、観光客に「パリっ子のジェスチャーをまねて、パリに溶け込め」なんて要求する発想自体が、さすがにパリ気質丸出しの "rude"(失礼)なところと言えないこともない。そのあたり、ジョンブルには、ちょっとカチンときたようだ。

ロイターは、「勝てなければ、相手の側についちゃえばいいのよ」(if you can't beat them, join them)という態度を観光客に薦めるという、新手のキャンペーンに出てきたものと論評している。

つまり、よそ者に不親切なパリッ子の態度は今さら改めようがないので、「せめてジェスチャーだけでも真似て、よそ者に見えないようにすれば、不愉快な目にあわずにすむかも」というアピールだというわけだ。

なるほどね。「郷に入っては郷に従え」とはいうものの、ロイター流の読み方をすれば、これほど高ビーな観光誘致キャンペーンも珍しいかもしれない。(ロイターの記事の原文は、こちら

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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