« なんでまた 「天地無用」 なんて言うのか | トップページ | 日本男児の真情溢れるレトリック »

2007年1月10日

馬鹿が利口を指導している

私も時々この欄でやり玉に上げている「バイト敬語」について、"JANJAN" に松山大智さんという方が書いておられる。(参照

バイト生自身は「この言葉遣い、おかしい」と思っても、上からの「指導」と称した押しつけで、そう言わざるを得ないんだそうだ。要するに、馬鹿が利口を指導しているのである。

これについては、私も 「知のヴァーリトゥード」 の中のコラムで、いわゆる 「コンサルタント」 と呼ばれるエラソーな人種が、「いらっしゃいませ、こんにちは」という妙な挨拶を、「コミュニケーションのスタート」として推奨していることの愚を指摘している。

そもそも、コンビニで店員と客がのべつ本格的に 「コミュニケーション」 なんか始めたら、仕事にならないじゃないか。

上述の松山さんは、次のように書いておられる。

私は新幹線の車内販売の経験がある。弁当、ビール、コーヒー、etc.。さまざまなものを販売し、色々な客と接した。

そこで悩んでいたものが「○○はいかがでしょうか?」は客に失礼なため、「○○はいかがでございます?」と言うよう厳しく指導を受けた。

最初は指導どおり 「いかがでございます?」 だったが、よくよく考えるとおかしな言葉である、「いががでしょうか?」の何が失礼なのかも分からない。

(中略)

もしおかしな言葉を使う人に出会ったら、その人に抗議しても無意味でつらい思いをするだけである。会社を調べ、会社に抗議しなければ、何の意味もない。バイト生に抗議しても、会社の上層部には伝わらないことははっきりしている。

なるほど、車内販売で「いかがでございます?」なんて聞かれたら、私もちょっとこけそうになってしまうだろうなあ。どうしても馬鹿ていねいに「ございます」調にしたいなら、せめて最後に「か?」ぐらい付けろよ。

ごく普通にやってくれよ、頼むから。

というわけなのだ。接客業で指導(と錯覚されている馬鹿な押しつけ)にあたってる連中、たまには、インターネットでもみて勉強しろよ~! (と、ここで書いても届かないか)

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

|

« なんでまた 「天地無用」 なんて言うのか | トップページ | 日本男児の真情溢れるレトリック »

言葉」カテゴリの記事

コメント

お邪魔いたします。がんなむうでございます。こんばんは。(←やってみました!)

 “宅配ピザ”の電話注文口にも、同様の違和感があります。

 「お電話ありがとうございます。○○ピザ××店、受付担当△△です。ご注文でしょうか?」

 「ございます」と「です」が混ざってて、しかも長ったらしいと思います。

 電話応対の『マニュアル』によりますと、「一刻を争う電話応対。お客様は少しでも早く○○ピザを食べたいと思っていらっしゃいます。」と書き出しておいて、「受話器を取る前に、“ウイスキー”と口に出してから応対を始めます。お客様の顔が見えないからこそ、笑顔の応対が必要です。」(イラストのバイト嬢の笑顔がキラッ!)
 なるほどねぇ。口の動きを滑らかにするおまじない“ウイスキー”ですか…。

 その間を作って、件の「お電話ありがとうございます~」が始まります。早く○○ピザを食べたい私には、ちょっとしたストレスです。


>ごく普通にやってくれよ、頼むから。

 老舗旅館や高級ホテル並みの接客(電話応対)を、カジュアルベースのファーストフードのアルバイト君には、求めちゃいませんって。

>(と、ここで書いても届かないか)あげーん!
 

投稿: がんなむぅ | 2007年1月10日 21:18

がんなむぅ さん:

書き込みありがとうございます。「知のヴァーリトゥード」の毎日更新コラム、"Today's Crack" 執筆担当 tak です。今晩はお寒うございますが、いかがお過ごしでございましょうか。

>「お電話ありがとうございます。○○ピザ××店、受付担当△△です。ご注文でしょうか?」

わはは (^o^)
宅配ピザ、注文したことがないんで、知りませんでした。

投稿: tak | 2007年1月11日 01:09

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 馬鹿が利口を指導している:

« なんでまた 「天地無用」 なんて言うのか | トップページ | 日本男児の真情溢れるレトリック »