「産む機械発言」 という装置の新たな機能
昨年春の民主党代表就任の時、「日本は変わらねばならない。私も変わる」と大見得を切った小沢さんについて、私は「60歳を過ぎた人間が、そんなに簡単に変われるものだろうか」と疑問を投げかけている。(参照)
結論。やっぱり、あんまり変わってないみたいだ。あのセンスの具合が。
小沢さんは自身の主宰する「政治塾」での講演で、柳沢厚労相の「産む機械」発言について触れ、「女性の抗議の声が大きくなると思っていたが、必ずしもそうではない。なかなか日本人は行動に出ない」と嘆いてみせたそうだ。(参照)
うーん、福島瑞穂さんとか辻元清美さんは、それしか仕事がないみたいな立場だからだろうか、どうだかしらないが(これは、できるだけ暴言臭を薄めるあいまい表現)、判で押したような芸のない抗議をしてみせたけど、フツーの女性はそこまで騒ぎたがるかなあ。
この「産む機械発言」というスキャンダルは、ステロタイプな騒ぎ方をすればするほど、騒いだ人の軽薄さというか、センスの悪さが印象づけられる、一種の踏み絵的な装置として機能し始めたように、今や私には思われるのだけれど。
私は一貫して、言葉尻を捉えられるに決まり切っている類のたとえ話を、そう喩えなければわかりにくいわけでもなんでもないのに、事もあろうに、公衆の面前でひょろっとしてしまうような柳沢さんという人は、大臣不適格という考えである。
小沢さんの言うように、確かに「欧米諸国なら罷免」ということになるだろう。しかしそれは、たとえ表向きの理由が「女性蔑視」だったとしても、そのココロは「こんな思慮分別の足りないヤツは、危なくて大臣なんかさせてられん」ことだというのは、言わずもがなである。
ところがここに来ての推移は、安倍内閣にとって柳沢さんを大臣の椅子に留めておくことのリスクよりも、ステロタイプに騒ぐだけの野党のセンスの悪さ(いわゆる 「万年野党病」)を印象付けることのメリットの方が、やや上回り始めたように思われるのだ。
「揚げ足取りと予算審議と、どっちが大切なんだ?」と考えてしまう人は、かなり多いだろう。「民主党まで、社民党みたいな駄々のコネ方をして、一体どうなってんだ?」と。
世の中、何がどう転ぶかわからない。自民党のリサーチ能力、やっぱり野党よりずっと上のようだ。
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コメント
お邪魔します。がんなむぅです。
公明党…。立場が苦しそうです。
女性の党代表格が実現している党なだけに…。
連立しているだけに…。
でも、“夏に衆参同時選挙”の構図も、しっかり見えてきました。
投稿: がんなむぅ | 2007年2月 6日 01:11
がんなむぅ さん:
公明党に 「女性の党」 のイメージがあるとは、浅学にも知りませんでした。
もしそれが、エライ人のお気に入りになりやすいタイプの女性の党だったりしたら、イヤだなあ。
>でも、“夏に衆参同時選挙”の構図も、しっかり見えてきました。
せっかく圧倒的多数を占める衆議院まで解散するかなあと思ってましたが、民主党がより弱まるのが確実だとなったら、仕掛ける可能性もありますね。
直接的な力を発揮するのは、世論より票ですからね。
投稿: tak | 2007年2月 6日 11:42