マックとスタバで考えた
米国の米有力消費者情報誌 「コンシューマー・リポーツ」 が、スタバよりマックのコーヒーの方がおいしいと言っている(参照)。
もっとも、これはマックのコーヒーの中でもちょっと違う「プレミアム・ロースト」のお話ということで、私は永らくマックに縁がないので、日本でも味わえるのかどうかも知らない。
ただ、確かにマックのコーヒーは捨てたモンじゃないということは言えると思う。特別においしいというわけでもないが、ぞんざいな感じもしない。それに、あのハンバーガーとフレンチフライのキッチュな香りと味に合わせるために、最適化されているとは思う。
一方、スタバの方は、毎日いろんなブレンドを提供してくれるので、「これがスタバの味」というイメージを構築しにくいところがある。だから、私は何年も口にしたことのないマックのコーヒーの味は明確に想像力の中で再構築できるけれど、スタバの味はそうはいかない。
この味覚とか風味とか口当たりなどを想像の中で明確に再構築できるというのは、できそうでできないことらしい。何しろ、いろいろな食べ物、飲み物を口にして、瞬時に判断できるというのは、なかなか難しいことのようなのだ。
以前勤めていた職場で、食品関係の営業スタッフが、ミネラル・ウォーターの試飲をさせてくれたことがあった。3種類だったかのミネラル・ウォーターと、普通の水道水を試飲して、違いがわかるかというのである。
職場の連中が試飲して、「さっぱりわからない!」とかなんとか盛り上がっているところへ、遅ればせながら私が登場して、ちょこちょこっと飲み比べてみたら、簡単にどれがどれだかわかってしまった。
同僚たちはびっくりして、「なんでわかるの?」と聞く。しかし私には、こんな明確な口当たり、喉ごしの違いの区別が、どうしてつかないのかの方が理解できない。赤と白が視覚的に簡単に区別できるぐらいに、明確な違いである。
「どうして、こんなはっきりした違いがわからないの?」
「わからないよ、さっぱり!」
というわけで、私はそれ以後、フツーのおっさんたちが「あそこの店は旨い」だの「不味い」だの言うのを、信用しないことにしたのである。水の違いがわからん人が、どうしてメシの旨い不味いがわかるものか。
というわけで私は、食い物、飲み物の味がかなりよくわかるようなのである。まあ、子供の頃から酒田の旨いもので育ったのだから、舌が肥えるのも当然だ。
しかし、私は食い物に贅沢は言わない主義である。おいしいものはおいしく、不味いものも、口に入れるのもはばかられるようなものでない限り、それなりに感謝して戴くことにしている。
それに、高級なレストランでもさっぱりおいしくないところもあれば、庶民的なジャンク・フードでも、かなりおいしいものもある。食い物というのは値段じゃないのである。
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コメント
食べることに、差はありません。
>食い物というのは値段じゃないのである。
値段は、経済的価値観が決めること。我々は、命を奪って自分を生かす存在。
エラそうなこと書きましたが、本当にそう思います。
投稿: がんなむぅ | 2007年2月15日 08:28
がんなむぅ さん:
>値段は、経済的価値観が決めること。我々は、命を奪って自分を生かす存在。
私は、命を 「いただいて」 「生かされている」 と思ってます。
こちらこそエラそうですみません。
投稿: tak | 2007年2月15日 14:46